電子展示 もう一度見たい名品
江戸の遊び心 ―歌川国貞の描く源氏物語の世界―
会期:平成29年10月10日~11月19日
幕末から明治期にかけて活躍した歌川国貞の『紫式部源氏かるた』を中心に取り上げ、他の浮世絵師の源氏絵なども併せて展示し比較できるようにした。書物としての『源氏物語』から浮世絵の『紫式部源氏かるた』まで多岐にわたる資料を展示することにより、様々な形で表現された豊かな「源氏物語」の世界を紹介した。また、源氏絵をデジタル化し、デジタル技術と貴重資料が融合した「浮世絵鑑賞システム」も紹介した。
源氏物語 全53冊
江戸時代中期の書写か。紺地の表紙に、当該の巻にちなむ下絵が金泥で描かれており、塗の箪笥におさめられている。その作りは、江戸時代前期、中期の嫁入り本の典型。胡蝶巻、宿木巻欠。貴重な調度品として保管されていたことをうかがわせ、書入はほぼなし。山路露巻を付す。 (ル120-44 / 貴重書)
花鳥餘情 10冊
江戸時代初期の書写か。一条兼良(1402-1481)による『源氏物語』全巻注釈。兼良は応仁の乱を避け、奈良での不自由な疎開生活を送るなかでこの注釈書を著したという。これは、書写者、書写時期等は不明であるものの、兼良が著した最初の段階の本、所謂初稿本系の忠実な写本である。 (ル120-49)
紫式部源氏かるた
東都 [江戸] : 紅英堂 [蔦屋吉蔵], [安政4 (1857)] 【所蔵情報(電子資料あり)】
グローバルに挑む群像 ―幕末から明治へ―
会期:平成30年10月29日~11月30日
日本の近代の始まりとなった幕末・維新期から明治前半期を中心に、グローバルな世界に挑戦した人々の姿を附属図書館所蔵の貴重資料から取り上げ、日本近代のあり方を考えていくもので、「明治150年」を記念する本学における取り組みの一つとして開催された。展示資料は昌平坂学問所関係資料、幕末関係記録、長州藩士録、文学作品などから厳選し、これまで未紹介の資料も紹介された。
外蕃容貌図画
[江戸]:金華堂須原屋佐助, 安政2 [1855] 【所蔵情報(電子資料あり)】
本書は、亜細亜、欧邏巴、亜仏利加、南北亜墨利加の五大州各国の人びとの容貌・衣装、気候、風俗を紹介することにより、彼らをみな「唐人」と呼ぶ日本人を啓蒙するために著され、日米和親条約締結の年に初めて出版された。本資料は初版翌年の刊記を有する。挿図は西川如見が享保5(1720)年に出版した『四十二国人物図説』の系譜を継ぐが、説明文は最も進歩した幕末洋学の所産によると言われている。(ヤ600-4)
Alice, or, the mysteries
“Ernest Maltravers”刊行の翌年1838年初版が刊行された続編。『花柳春話』はこの続編も含めて抄訳している。著者校閲本とするラウトレッジ社Routledge's 6d. edition of Lord Lytton's novelsとして出版された著作集の1冊。(F550-l12)
[亜墨利加使節対話書]
~東京1964と日本文化について考える~
会期:令和元年11月1日~12月6日
日本がどのようにオリンピックを受容し、東京開催を実現しようとしたのかを、附属図書館所蔵の貴重な資料から考えていくもので、本学における東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会参画プログラムの一つとして開催された。オリンピック招致活動に関する資料や、オリンピックのポスターに加え、東京1964オリンピックの際に国立競技場に掲げられた五輪旗も展示された。
日本
1935年初めに東京市の市設案内所により作成された豪華写真帖。1935年2月にオスロで開催されたIOC総会で、1940年大会の開催地が決定される予定だったので、それに間に合うようにIOC委員や各国オリンピック委員会等に配布された。内容は、東京のみならず、日本全国の景勝地、祭りや歌舞伎などの文化や産業の紹介、スポーツ施設、さらに西洋的おもてなしの様子も紹介されている。美しい内容で好評を博したといわれる。(210.7-N77)
Tourist library 40vols.
1940年の「幻のオリンピック」の招致から返上の過程と重なる1930年代、当時の鉄道省国際観光局によって発行された、日本文化を紹介する冊子一式。全40冊からなり、城や温泉などの観光のみどころや日本人の文化様式に関する様々なテーマが含まれている。相撲、踊りなどの身体文化、そして嘉納治五郎の執筆による「柔道」が紹介されている。海外の新聞雑誌や旅行業者、図書館等に頒布された。(789.2-Ka58ほか )
東京オリムピック大會を目指す金儲け
東京 : 第百書房, 1936 【所蔵情報】