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> プロローグ 災いのしるし
> 第1章 災害列島・日本 ― 歴史に見る災いの痕跡
> 第2章 地域の災害と復興 ― 各地の声と記録
> 第3章 鯰絵と信仰 ―「 見えない力」との対話
> 第4章 文化財救出と未来への記憶 ― つなぐ・守る・語り継ぐ
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第3章 鯰絵と信仰 ―「 見えない力」との対話
26. 『鯰絵 鯰をおさえる恵比寿』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
七福神の一である恵比寿天がヒョウタンで鯰を押える図。詞書は、神無月の10月に八百万の神々が出雲に集まる際の留守役である恵比寿天が鯰の処置に困っている旨を記す。
27. 『鯰絵 恵比寿天申訳之記』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
鯰たちを従える恵比寿天が、気候不順のため鯰たちの大暴れを止められなかった釈明を鹿島神宮の神に言上する図。詞書は釈明が受け入れられた旨を記し、末尾には東西南北に貼る魔除けの梵字が書かれる。
28. 『鯰絵 鯰の詫証文』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
開国に不満を抱いて地震を起こした鯰たちと、奴等を蒲焼にすると怒る神々の間に仲人の神を立てて、鯰の詫び証文を作成する図。今回の江戸地震のほか文政11(1828)年三条地震(越後地震)、弘化4(1847)年善光寺地震(信州地震)、嘉永6(1853)年小田原地震を起こした鯰たちが居並ぶ。
29. 『鯰絵 金持をゆすりにきたか大地しん』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
持丸は金持ちを意味する言葉。金融業者である両替商の店先から金を引き出そうとする者たちの後に鯰を描く。当時は裕福な町人たちが自らの資産で被災民へ食料配給など社会的教護活動(施行)を行ったので、大地震が金持ちを強請ったと詞書は皮肉る。
30. 『鯰絵 鯰の力競べ』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
鹿島神宮の神と鯰の間で首引き(首に縄をかけて引っ張り合う力競べ)を行う図。鯰の側は地震の復興特需で潤った職人が、鹿島の神の側は復興資金を拠出する商人が陣取る。地震がまた来れば儲かる、でももう揺れてほしくないという両様の気持を詞書は記す。
31. 『鯰絵 鯰の見舞い』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
地震の復興特需で設けた職人たちが鯰の元へ次々と御礼や付け届けに押しかける図。詞書は鳶、大工、土方、左官、材木屋、屋根屋などの口上を並べたのち、身体がまだ震えるので薬で治したいという鯰の言葉を最後に記す。
32. 『鯰絵 地震雷過事親父』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
地震(鯰)と雷(雷神)と火事(火)の三者による酒盛りの図。詞書の中で■は火事、●は雷、▲は地震のセリフ。陰陽五行説に基づき、鯰の気が乱れて「大ふざけ」(地震)を起こしたと記す。「四年前」の雷の「大ふざけ」は嘉永3(1850)年江戸の落雷災害と思われる。
33. 『鯰絵 神馬』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
大地震から生き延びた者たちの衣類には天照大神を祀る伊勢神宮の使者である白い神馬の毛が付着していたという噂があり、それに基づく神馬が鯰を蹴散らす図。江戸の被災者たちは、鹿島神宮の神も不在な神無月の10月に起きた大地震からの救済を最高位の神である天照大神に求めたと解釈されている。
34. 『鯰絵 世直し鯰の情』
【所蔵情報】
デジタルコレクション
大地震で倒壊した建物から鯰が人々を救う図。詞書は伊勢神宮の神馬に助けられたという噂への反論の内容で、地震が陰陽五行説の気で起きたことで鯰は無関係と主張する。
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