電子展示
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第三部 ◆ いと高き 知の殿堂 -附属図書館の黎明-

37. 水府公献策

江戸時代後期 | [三宅文庫]
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 水戸藩主徳川斉昭が内憂外患を唱え、対外関係のあり方について幕府へ献言した著名な献策書の写本。三宅米吉が書物収集家として著名な寺田望南から譲り受けた一冊である。

38. 東大寺国宝金銅八角燈籠 音声菩薩図拓本

紙本・額装 | [中央図書館保管]
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 教育大附属図書館内に掲げられていたと伝えられる拓本。三宅米吉はこの燈籠を、「探古考証雑抄(東大寺諸物)」(1899年)で奈良時代の古物として紹介している。その業績に関連させて、ここに紹介する。

39. 尋常小学日本歴史 巻1 教師用

文部省 | 明治43(1910)年刊 | (木代修一氏収集日本文化史関係資料)
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 明治43(1910)年改定の教師用国定教科書。教科書編修官喜田貞吉による「南北朝」の解釈が皇統の正統性、国民道徳を揺るがすとして政治問題化され、その修正は三宅米吉に委ねられた。三宅は、研究・教育の立場を弁別しつつ、朱書きを加えて修正にあたった。資料は、まさにその修正時に加筆された教科書そのものである。

40. 府朝事略

吉川久勁 | 若不足塾 | 明治34(1901)年刊
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 鹿島神宮の旧祠官が著した初代家康から12代家慶に至る徳川幕府史の概説書。松井簡治寄贈。松井の父は、著者の師匠宮本茶村とも交流のある下総国学の一員であった。

41. 校定大鏡

萩野由之・松井簡治校定 | 六合館 | 明治30(1897)年
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 松井簡治が当時は同僚であった萩野由之(1860-1924)とともに、異本の多い『大鏡』を校訂し、出版したもの。松井は『大鏡』『増鏡』『徒然草』『太平記』など多くの古典を教材化した。

42. 大鏡

慶長年間(1596-1615)刊
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 朱子学者藤原惺窩旧蔵、慶長年間(1596〜1615)ごろの古活字本『大鏡』(6巻本の1巻)。惺窩の「冷泉府書」、戦前の所有者高野辰之の「斑山文庫」の印記が確認された。松井退官後の教育大附属図書館で購入された。

43. 読書別無法 只要耐子細

諸橋轍次 | 絹本・額装 | 昭和37(1962)年 | [中央図書館保管]
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 『大漢和辞典』全巻完結の翌々年に揮毫・額装され、教育大附属図書館の学生閲覧室に掲げられていた書。典拠は『朱子読書法』(『四庫全書』第709冊)と見られる。

44. 謡本 二十七番

観世身愛写 | 慶長8-11(1603-06)年
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 能勢朝次は、能楽の謡本を各種のテキスト・周辺資料から検討し、学位論文『能楽源流考』などの成果を挙げた。本展ではその業績にちなみ、貴重書に指定される肥前(佐賀県)唐津藩主小笠原家旧蔵の謡本を紹介する。

45. 修学院離宮細図・修学院御山荘御幸之儀

江戸時代
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 修学院離宮(京都府)の建築および天皇の行幸に関わる各種図集。「百武氏藏書印」の蔵書印がある。天皇が行幸する際に使用する輿の図には火災による焼け焦げが残る。資料46解説も参照されたい。

46. 廻船宝富久呂

奥村贈ノブ | 温和堂 | 天保10(1839)年刊
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 船の通行に必要な方角の見方を説明する折本。泥による汚れや焼け焦げが見えるが、これらは、火災・空襲などのさいに階下の運動場へ投げ出して救出したことを物語る「生き証人」である。