電子展示
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プロローグ | 第一部 | 第二部 | 第三部



プロローグ ◆ 我ら 知の開拓者

1. 蒙古襲来絵巻

江戸時代後期
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 宮内庁所蔵御物「蒙古襲来絵詞」(永仁元(1293)年ごろ)の写本で、詞書を欠く。但馬村岡を領した山名家の旧蔵。東京文理科大学創立期に日本史・東洋史資料として購入された。


 展示会場で公開したのは2本のうち上記掲載の1本(和11番)のみであるが、2013年11月4日(祝)に特別講演会を開催したのに伴い、未公開の1本(終12番)を特別公開した。電子展示でもその一部を掲載する。

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第一部 ◆ 醒めて立て 知の開拓へ -前身校事始-

2. 林春斎自叙譜略

大田南畝 | 江戸時代後期
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 湯島聖堂に縁のある朱子学者林家の2代鵞峰(春斎)の履歴書。旗本大田南畝による自筆写本で、東京師範学校校長心得・校長補であった教諭小沢圭次郎(1842-1932)の旧蔵。

3. 日本史要

木村正辞稿 | 那珂通高校訂 | 明治9(1876)年
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 明治11(1878)年に東京師範学校から出版された小学校教科書の原稿。師範学校の罫紙が使用されることからわかるように、同校は学制創設時の教科書編纂に深く関わった。著者の那珂は折衷学派の儒学者で、元盛岡藩校作人館の句読師。維新後は大蔵省・文部省に勤めた。

4. 東京高等師範学校辞令

明治38(1905)年 | [鈴木虎雄文庫]
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 鈴木虎雄(1878-1963)に対する東京高等師範学校漢文科講師の辞令。鈴木は、日本における中国文学・文化研究(中国学)の創始者の一人で、多くの古典漢詩を紹介した。明治の言論人陸羯南の娘婿としても知られる。

5. 千束原追鳥狩記

江戸時代後期
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 水戸藩主徳川斉昭が天保改革時に軍事教練として実施した追鳥狩の記録。使用された武具・旗なども絵入りで記録されるが、その中には、皇室の紋章である「菊」と「五三の桐葉」も見える。

6. 女学裁縫幼補

上田正庸編 | 明治10(1877)年刊 | [宮木文庫]
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 女子用の裁縫教科書。宮木文庫は、東京文理科大学教授乙竹岩造(1875-1953)の尽力により、東京・滝野川(北区)の寿徳寺住職宮木宥弌が寄贈した寺子屋・学校の教科書コレクションで、同学に設けられた教育文庫の基礎となった。

7. 歴世女装考

岩瀬百樹(山東京山)撰 | 安政2(1855)年刊
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 山東京山が女性の風俗を書物・浮世絵などから集成した書。長く男子校であった東京高等師範学校の蔵書には家政学・女性学関係書籍も含まれる。

8. 李蘭土氏講義 体育論

J.A.リーランド述 | 坪井玄道訳 | 明治12-14(1879-81)年
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 体操伝習所旧蔵。同所および東京師範学校の御雇外国人ジョージ・アダムス・リーランド(1850-1924)の講義録。講義は学校体育の父と呼ばれる坪井玄道(1852-1922)により通訳された。

9. Administration and Management of Physical Education.

野口源三郎 | (野口源三郎手稿コレクション)
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 東京高等師範学校・体育研究所等で体育教育の運営・管理法を講じた野口源三郎(1888-1967)の講義ノート。児童の好きなスポーツのランキングの中には、ハイキング、魚釣り、毬つき、大阪跳びなどの種目も見える。

10. 農村ト報徳社

大杉秀吉 | 大正9(1920)年 | [旧農学部教員養成関係資料]
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 農業教員養成所旧蔵。著者は同所卒業生で、二宮尊徳の報徳思想により農村更正を指導した報徳社の役割を論じる。

11. 無水岡田開闢法

岡田明義 | 明治元(1868)年刊
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 東京農業教育専門学校旧蔵。岩野目沢村(秋田県)の老農岡田明義がジャガイモの救荒作物としての効用と栽培法を説いた農書。東京農業教育専門学校では、後に東京教育大学附属図書館長となる菌学者平塚直秀(1903-2000)も教授を務めていた。

12. 文献足徴

今澤慈海 | 昭和30年代前半 | 木製 | [図書館情報大学旧蔵]
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 図書館職員養成所図書室の新設時に揮毫されたといわれる書。図書館の必要性を明示する。出典は『論語』八?第三。今澤慈海(1883-1968)は、和田萬吉(1865-1934)・村島靖雄(1885-1936)とともに文部省図書館員教習所の設立に貢献した。

13. 尚書(古文尚書)巻8

清原宣賢写 | 永正11(1514)年
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 古代中国の歴史伝承を記す書。別名『書経』。「南摩文庫」の旧蔵者南摩綱紀(1823-1909)は、東京高等師範学校教授となった旧会津藩士で、漢学者。東京師範学校・高等師範学校等の校長高嶺秀夫(1854-1910)、山川浩(旧名大蔵、1845-98)も旧会津藩士で、伊澤修二(1851-1917)とともに文部大臣森有礼が主導する教員養成制度の改革に尽力し、ペスタロッチ主義を導入するなど、「教育の総本山」の確立にあたった。

14. 高等師範学校一覧

明治28(1895)年
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 高等師範学校の概要を書き上げる手稿本。その校長である高嶺秀夫は、旧会津藩士の就職も斡旋したが、その一人に附属東京教育博物館の看守藤田五郎(1844-1915)がいる。藤田とは、新撰組の隊士斎藤一そのひとに外ならない。本資料に載る職員録にも「青森県士族」として記載されている。