筑波大学附属図書館展示Blog  2011年9月
筑波大学附属図書館で開催している特別展・企画展のスタッフブログを復元したものです。
※展示当時の情報を尊重し、参照リンク先URLやコメント等は基本的に当時のまま掲載しております。

本特別展のポスターでは、『論語』冒頭の一節をモチーフに、複数の本の同一箇所を並べ、日本に漢籍が受容されていく様を表現してみました。

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 モチーフに使用した一節はこちらです。
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論語, 10巻 澁澤榮一書(ロ860-8 和装古書)

 この画像はポスターの右端に使用しています。
 さて、超がつくほど有名な『論語』ですから、訳書は山ほど出版されており、当館でも多く所蔵しています。その中から素人の私にもとっつきやすい文庫本を数冊ピックアップし、上記の一節に関する箇所を読み比べてみました。訳者が違うと印象も違いますね。
 特にお気に入りの訳を引用します(少し長いのですが)。人それぞれ、なにか思うところがあるのではないでしょうか。

一 子のたまわく、学んで而(しこう)して時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)あり遠方より来(きた)る、また楽しからずや。人知らずして慍(いきどお)らず、また君子ならずや。
(中略)
孔子様がおっしゃるよう、「先生に就きまた書物を読んで道理を学ぶのがまず第一だが、ただ通り一遍に学んだだけでなく、その上にまがなすきがな繰り返し思索したり実行したりしてみると、だんだんと学問が身につき道理が心にとけこんでくる。何とうれしいことではないか。さて学問が進み修養が積んでくると、勉学修養の志を同じくする人たちが遠方からまで集って来て、どうぞ教えてください、いっしょに修行しましょう、ということになる。何と楽しいことではないか。ところである程度学問が進み修行ができると、自分はこれだけになったのになぜ世間が知ってくれないのだろうかと、不平も起こりそうなことだが、もともと学問し修養するのも自分の人物をみがくためで、それがおのずから世のため人のためになることはあろうとも、けっして他人に認識してもらうための学問修養ではない。そういう気持で「人知らずしていきどおらず」一心不乱に学問修養をつづける人があるならば、それこそ本当の君子ではあるまいか。」

この一章は三段になっているが、通して読んでみるとひとつづきの発展過程であることがわかる。すなわち第一段は、学問は「耳学問」や「目学問」ではだめで、体得して身につけたものでなければならぬ、ということを述べ、第二段は、学問は志を同じくする者が共同研究し相互教化すべきものであることを説き、第三段は、学問の目的は自己の人格完成にあることを教えたのであって、要するに学問の真目的に向かい喜び楽しんで精進すべし、というのである。
穂積重遠著 『新訳論語 』(講談社学術文庫 ; 549 )【分類:081-Ko19-549 /資料ID:10081600996】

特別展が始まり6日目、熱心にご覧いただくお客様を見るにつけ、ほっとするやら、うれしいやら。。。先日、谷口先生が学生さん達を連れて来館され、展示室内で授業をされました。

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 谷口先生お疲れ様です。皆さん、またゆっくり観にきてくださいね!
 そして今日は、筑波大学新聞の方が取材にいらっしゃいました。対応を谷口先生にお願いしました。
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 記者の方に分かりやすく説明してくださり、私も写真を撮りつつ、耳を傾けると、とても面白く、漢籍を身近に感じました。谷口先生ありがとうございました。

comments[2011-09-30/yf]

今年もいよいよ始まりましたね。たくさんの方に見ていただけるようお祈りします。ところで余計なことですが授業で見ている学生さんの写真を見て荷物が気になってしまいました。入口の邪魔にならないところにブックトラックを出してあげるといいかなと思います。

comments[2011-09-30/my]

授業のときなど荷物はどこかに置いておきたいかもしれませんね。ご意見ありがとうございます。

9/16「特別展開始まで後7日」の投稿以来、作業状況をお伝えできないまま初日を迎えてしまいました。なんとか無事に予定通りスタートすることができて安堵しております!
 さて、「あと7日」とは言っても3連休を挟んだため実質「あと3日」でした。14日からはじめたパネルづくりですが、5日間で作った枚数はおよそ120枚。いつにも増して短期集中だったせいか、カッターを支える指にマメができてしまいました。

■開会2日前
パネルの原稿がほぼすべて揃いました。パネルづくりも終盤です。

■開会前日 
外は台風上陸のため大荒れ。図書館は15時で閉館となりました。そんな中ラストスパートで作業です。今回一番の大物「歴聖大儒像」6軸を壁面にかける大仕事。写真に写っているのは二人ですが、後ろで軸を取り出し手渡す人、バランスをみて指揮する人と総勢5人がかり。描かれてからおよそ380年もの時を経ている貴重な代物です。緊張しながらも慎重に作業をすすめ、無事全てかけ終えました。軸がかかって一気によい雰囲気になりました。

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パネルの位置を決めて壁にピン止めしました。うっすら気がついてはいたのですが、全てを貼り終えたらなんだか1部の壁面がやたらと寂しい。。。というわけで急きょ写真パネルを追加することにしました。1部には『論語』がいくつか出展されていますので、孔子にちなんで春秋戦国時代を描いた中国の地図を選びました。下の写真は記念すべき最後の一枚を貼っているところです。
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そんななか、一番の懸念だった図録が無事1週間で納品されました。過去最短記録です。間に合ってよかった・・・。印刷屋さんに感謝です。
今年もまた図書館ボランティアさんが作ってくださった素敵な折り紙で会場や看板を飾りました。
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このお花、何でできていると思いますか?(”折り紙”という答えではありません)私はこれを見て驚きました。ぜひ皆さんも会場で近寄って見てみてください。その他メインカウンター前に看板をつり下げたり、各所に案内板を設置しました。

■いよいよ初日
昨日は台風のため外に看板を設置することができなかったので、朝一番で設置作業を行いました。
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こうしてめでたくお客様をお迎えする準備が整いました。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。ブログやTwitterもお楽しみいただければ幸いです。

comments[2011-09-23/bali]

無事スタートおめでとうございます。黄色に赤のテーマカラー、ステキです。1週間で印刷!どうなってるんでしょうか。すご過ぎです。学内での「歴聖大儒像」のお目見え、久しぶりですよね。実物をじっくり眺めることができてうれしいです。お花は何でできているんでしょう?ちらっと見ただけではよくわかりませんでした。

comments[2011-09-29/M.M.]

baliさん、コメントありがとうございます!お花ですか?きっと、じーーーっと見ればわかります♪そのうちこのブログ上でも種明かしをしましょう。

本日9月22日から貴重書展示室で特別展を開催しております。皆様のご来場をお待ちしております。

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新館2階のポスターです

 階段またはエレベーターで1階へお越しください。

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ご入場の前にカウンターを押していただくようお願いします。こちらで来場数をカウントしています。また、お帰りの際には、アンケートのご協力をよろしくお願いいたします。

図録原稿が印刷屋さんに渡り、次は展示資料のキャプションや写真などのパネル作りに入りました。

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 立ち通しの作業に女性陣は腰がふらふら。
 資料を仮置きし、谷口先生のご意見を伺いました。
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 少しづつ形になってきましたが、最後の仕上げにはまだまだです!

先生から図録最終稿をいただいたとのこと。図録班頑張ってください!
 今日はパネル班とポスター班、その他協力者で大型ポスターを図書館前の柱に貼り付けました。

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大型ポスター作製中(表面をブッカーでコーティング)

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 悪戦苦闘の末、なんとかおさまりました。Mさん、Sさんお疲れ様でした。

まずはポスターとチラシ用の写真撮影からはじまりました。

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 17点ほどの資料からそれぞれ何枚もの写真をとりました。
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<琵琶行から>           <論語から>
   

平成23年度の筑波大学附属図書館特別展は「日本人のよんだ漢籍」をテーマに開催します。
会場:中央図書館貴重書展示室
会期:9月22日(木)~10月21日(金) 
   平日 9:00~17:00 / 土日祝 10:00~17:00
 ※10/15(土),16(日)は閉室(休館)です!ご注意ください。

 『論語』、『文選』、『白氏文集』など、日本人が古代から愛着をもって読んできた漢籍と、その一般への普及に貢献した訓点付きの和刻本を並べて展示し、日本人が漢籍を受け入れてきた実相を示します。あわせて近代日本漢学の様相を知るよすがとして、新収資料「鈴木虎雄関係史料」の一部を初めて展示・紹介します。この機会にぜひご観覧ください。ツイッターもよろしくお願いします。 https://twitter.com/tulips_tenji