• トップページ
  • ご挨拶
  • ポスターチラシ
  • ブログ
  • 図録
  • 講演動画



電子展示


展示資料をご紹介いたします。一部資料は電子図書館上で全文をご覧いただけます。
サムネイルをクリックすると、新しいウィンドウで拡大画像を表示します。

はじめに  |  第1部  |  第2部  |  第3部

第3部 ◆ メディアに飛び出した書物

27. 常陸国風土記

西野宣明校
水戸 : 聴松軒, 天保10(1839)年刊
所蔵情報
 和銅6(713)年に編纂された常陸国の地誌。新治・筑波・行方など各郡の土地の様子が具体的に記されている。本書は天保10(1839)年に水戸藩士・西野宣明により校訂されたもので、本文上部に諸書を引用しつつ考証をしている。「常陸国風土記」編纂1300年を迎えた2013年には、県内各所で展示会が開催され、当館蔵書も複数機関で展示された。

28. 官遊紀勝

渋江長伯著
直曲庵主人, 文化13(1816)年写
所蔵情報(全文あり)
 渋江長伯が文化6(1809)年に甲斐を訪れた際の紀行文。道中の風景や村々の様子を克明に記している。特に挿絵は秀逸で、現在の風景写真と比較するとその精緻さがわかる。本書は写本が数点しか現存せず、当館蔵書は中でも良本である。本書には山梨県の研究者による研究書もあり、甲斐の地域資料としての側面からも利用されている。

29. 往昔越後国之図

三郎兵衛信慶図 藤原嘉長写
元治元(1864)年写
所蔵情報(全文あり)
 越後の歴史図。本図には寛治3(1089)年に三郎兵衛信慶が描いた原図を文政10(1827)年に写し、さらに元治元(1864)年に写した、という伝来の状況が記されているが、地名から後世の偽作であるといわれている。しかし、偽図と言うよりも、昔の越後を想像して描いた性格の地図として興味深い。本図は『絵図学入門』等に図版として掲載されている。

30. 教皇グレゴリオ13世伝
 Compendio delle heroiche, et gloriose attioni, et santa vita di Papa Greg. XIII.

チアッピ(Marc' Antonio Ciappi)著
ローマ : 1596年
所蔵情報(全文あり)
 グレゴリオ13世は、ローマ教皇としてイエズス会の事業を援助し、インド及び日本布教にも強い関心を寄せた。またグレゴリオ暦を制定したことでも知られている。本書には、1585(天正13)年3月に天正遣欧使節が謁見した際の様子や安土等に設立されたセミナリヨの挿絵があり、日本におけるキリスト教の歴史資料として、教材などの図版に使用されている。

31. 信濃国大地震諸届書

弘化4(1847)年
所蔵情報
 弘化4(1847)年3月に信濃国の善光寺平を震源としたマグニチュード7.4の地震が発生した。本史料はこの善光寺地震の届書で「新収日本地震史料」に翻刻がある。なお、この地震の山崩れで犀川がせき止められて湖ができたが、同年4月に湖が決壊して大洪水が発生した。その様子は「弘化丁未夏四月十三日信州犀川崩激六郡漂蕩之図」に描かれている。

32. 鯰絵

江戸末期摺
所蔵情報(全文あり) 全文一覧
 安政2(1855)年10月に江戸を襲った安政大地震を機に出版された版画。鯰に対する懲らしめを装いながらも、復興景気によって世直しをもたらす存在としても描くなど、地震に対する庶民感情を反映している。東日本大震災以降、防災教育を目的とした利用が増加しており、『防災教育補助教材3.11を忘れない』では、当館所蔵の画像を掲載している。
鯰騒動

33. 延喜式

50巻20冊 藤原時平, 藤原忠平ほか撰
京 : 松栢堂林和泉掾, 明暦3(1657)年刊
所蔵情報
 「式」とは律令の施行細則のこと。延喜5(905)年醍醐天皇の勅により編纂に着手。奈良平安時代の国家制度、文化・社会の詳細を知ることができる。「諸国貢進菓子」には、全国各地から朝廷に納められた「菓子(くだもの)」の名が記されており、甲斐国から「青梨子(あおなし)」、丹波国から「甘栗子(あまぐり)」等が献上されていたことがわかる。

34. 男重宝記

5巻5冊 苗村常伯著
京 : 大和屋勘七良, 元禄6(1693)年刊
所蔵情報
 男性向けにつくられた百科事典的な書物。日常生活の基礎知識や作法を学ぶことができる。菓子の名も記されており、例えば「立田餅」は断面が流水に紅葉をあしらった棹菓子である。「立田」とは在原業平の「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」にも詠まれた奈良県の紅葉の名所「竜田川」のことであり、茶席で菓子の銘を聞いて即座にその意味を悟るのが男性の教養の証とされていた。

35. 江戸切絵図

江戸 : 尾張屋清七, 嘉永2-文久3(1849-1863)年刊
所蔵情報(全文あり)
 江戸の区分地図。一枚ごとに縮尺も方位も一定ではないが、徒歩で移動する際の体感距離が把握しやすく、記号や色分けによって何が描かれているかを示している。尾張屋版の江戸切絵図は、色鮮やかな多色刷で人気が高い。当館では、30種34枚を所蔵し、全図の高精細画像を公開している。『東京ざっくり探訪 : 江戸切絵図と今』では、当館所蔵の30枚の画像が使用されている。
参考:江戸図 全文一覧
外桜田永田町絵図

36. 教育錦絵

東京 : 文部省 明治6(1873)年頃刊
所蔵情報(全文あり)
 幼児用絵解き教材として発行された一連の錦絵。現在までに104種が確認されている。その内容は、「衣喰住之内家職幼絵解之図」や「泰西偉人伝」などいくつかのシリーズに分けられる。当館は95種を所蔵する国内有数の所蔵館であり、全画像をホームページから公開している。明治初期の職人の仕事や風俗を表す挿絵として使用されている他、本学日本美術史研究室による調査報告論文集も作成されている。
鬼瓦・樋づくり・壁板の渋ぬり

はじめに  |  第1部  |  第2部  |  第3部