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電子展示
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展示資料をご紹介いたします。一部資料は電子図書館上で全文をご覧いただけます。
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第2部 ◆ お墨付きの古典籍 |
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14. 新古今和歌集20巻2冊 山崎宗鑑筆 室町時代中期写

鎌倉初期に撰集された第8番目の勅撰和歌集。撰者は源通具をはじめとする6人。当館蔵書は室町時代後期の連歌師山崎宗鑑の筆とされ、鑑定家古筆了祐による極札が添付されている。現存する同和歌集のなかで最も信頼される伝本の一つで、『新編日本古典文学全集 新古今和歌集』の底本に採用された。
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15. 種生伝篠田厚敬著 京都:出雲寺和泉掾 正徳3(1713)年刊

『徒然草』の作者、兼好法師の伝記物語。江戸前期には『徒然草』が大流行するとともに、兼好は晩年を伊賀国種生(たなお)で過ごしそこで没したという説が流布していたが、本書はこの説により兼好の生涯を歌物語風に描いたもの。当館蔵書は、『近世兼好伝集成』(平凡社)の底本に採用された。
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16. 足利義教袖判御教書(北野神社文書)永享6(1434)年8月10日

北野神社文書は北野神社(北野天満宮)祠官松梅院旧蔵の文書・記録群。右筆が本文を書いた後に将軍が花押を書いて直接発給する御教書形式の文書が多数含まれる。花押が文書の袖に据えられた袖判御教書の一つである本文書は、近江国小野における領家職について、6代将軍義教が当知行する加子式部少輔入道の半済を承認したもの。
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17. 社家条々引付(北野社家日記)松梅院禅融 嘉吉元(1441)年

松梅院の公務日誌(『北野社家日記』として刊行中)。内容は、北野社内のことはもちろん、室町後期から江戸初期における政治情勢、京都を中心とした社会の様子まで多様である。本史料には比叡山延暦寺の大衆が「集会」を開き、「一揆」して根本中堂を「閉籠」したさいの事書の写が収められており、将軍義教暗殺前後の情況を知ることができる。
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18. 壬戌日暦(昌平坂学問所日記)著文久2(1862)年

寛政改革のさいに創立された昌平坂学問所の関係文書。林述斎・佐藤一斎ら著名な朱子学者の書簡や学問所の公務日記・記録を含む。本史料は文久2年の1年分の日記で、閏8月18日条に、湯島聖堂で孔子を祀る釈奠を執行したことが見える。
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19. 編纂本朝尊卑分脈図3巻3冊 嘉永年間(1848-54)刊

本書は丹鶴叢書と同時期に刊行された「丹鶴外書」と呼ばれる書物の一つ。丹鶴叢書は江戸時代末期の紀州家付家老で新宮城(一名・丹鶴城)の城主であった水野忠央(ただなか)が開版したもので、校訂の精確さや版刻の精美さで近世刊本の傑作とされる。伝本は少なく、当館蔵書は極めて状態が良いため、『定本丹鶴叢書 編纂本朝尊卑分脈図脱漏』の底本となっている。
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20. 伊曽保物語3巻1冊 伊藤三右衛門, 万治2(1659)年刊

「イソップ物語」の邦訳で、訳者不詳。「伊曽保物語」には、文禄2(1593)年にイエズス会天草学林から出版されたローマ字口語体の天草本(キリシタン版)と、後に文語体の日本語で出版された仮名草子がある。本書は万治2年刊の仮名草子で、絵入本としては最古の版である。同種の版本は、武藤禎夫『絵入り伊曽保物語を読む』で影印・翻刻されている。
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21. 続狂言記5巻5冊 京 : 八尾平兵衛ほか, 元禄13(1700)年刊

「狂言記」は、江戸時代に読み物として流布した狂言の絵入台本集である。『狂言記』『狂言記外五十番』『続狂言記』『狂言記拾遺』の4種があり、本書はその3番目に刊行されたもの。当館蔵書は、北原保雄・小林憲次『続狂言記の研究』に影印・翻刻されている。
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22. 拾芥抄3巻6冊 京 : 村上勘兵衛, 明暦2(1656)年刊

室町時代に成立した一種の百科事典。編者は洞院公賢で、洞院実煕補とされる。「第23本朝国郡部」に収録されている行基作と伝わる日本図は、東北地方が丸く潰れており、当時の日本の捉え方をよく表している。平成19年度当館企画展「古地図の世界」の電子展示では、この行基図の合成画像を作成・公開しており、その画像がしばしば引用されている。
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23. 東叡山名所菱川師宣画 三河屋七右衛門, 天和2(1682)年刊

上野の寛永寺は山号を「東叡山」という。現在の上野公園を含む広大な敷地に多くの伽藍を有し、桜の名所としても名高い一大行楽地でもあった。本書は東叡山とその周辺の名所を紹介したもの。人々の姿を描いているのは、浮世絵版画の祖・菱川師宣とされている。本書は唯一現存を確認できる資料であることから、昭和12(1937)年に複製本が出版された。
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24. 女歌仙新抄菱川師宣画 天和2(1682)年刊

女流歌人の和歌を1首づつ取り上げ、注釈と歌意画(歌内容を絵で表した画)を付した書。鎌倉期成立の「女房三十六人歌合」の絵入解釈本で、菱川師宣の画とされる。本書は当館と天理大学附属天理図書館のみの所蔵が知られる稀本で、『天理図書館善本叢書 師宣政信絵本集』刊行の際に、天理図書館本の落丁を補完するため当館所蔵本が使用された。
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25. 琵琶行・長恨歌寛永年間(1624-44)刊 古活字本

「琵琶行」「長恨歌」は、共に唐代の詩人白居易(白楽天)の代表作。原文は漢文の七言古詩であるが、本書は中国説話を歌物語風に和訳した説話集「唐物語」から、この2作を抄出した仮名草子である。現在、当館所蔵本を含め3点のみ所在が確認されている。巻頭の挿絵では、船上で琵琶の音を聴く白楽天が描かれ、哀愁を一層際立たせる。
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26. 住吉物語絵巻2軸 室町時代初期-中期作 奈良絵巻

鎌倉時代の中世王朝物語である「住吉物語」を絵巻仕立てにしたもの。主人公の姫君が様々な迫害に遭いながらも最後には幸せになり、継母は人々に疎まれながら世を去るという典型的な継子物語である。本絵巻は零巻(不完全本)であるが、制作年代が古く、貴重かつ秀麗な絵巻で、当館開館10周年記念絵葉書など、学内広報でもしばしば引用されてきた。
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