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第1部 東京オリンピック開催まで

Part 1. Before the Tokyo Olympic Games

1 『Tokyo : sports center of the Orient』

 所蔵情報 

 1940年のオリンピック競技大会開催地に東京市(当時)が立候補した際に作成されたアルバム集で、1934年のアテネで開催したIOC総会で配布された。東京市の紹介と立候補する理由について説明されている。アジアでの開催により、オリンピック・ムーブメントが広がること、東京市がニューヨーク、ロンドンに次ぎ世界で3番目に人口の多い都市であり、近代西洋的な施設や体系と伝統的な日本文化とが融合していること、そして関東大震災から復興したことを掲げている。

2 『日本』

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 1935年初めに東京市の市設案内所により作成された豪華写真帖。1935年2月にオスロで開催されたIOC総会で、1940年大会の開催地が決定される予定だったので、それに間に合うようにIOC委員や各国オリンピック委員会等に配布された。内容は、東京のみならず、日本全国の景勝地、祭りや歌舞伎などの文化や産業の紹介、スポーツ施設、さらに西洋的おもてなしの様子も紹介されている。美しい内容で好評を博したといわれる。

3 『TOKYO』

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1956年に東京都庁が制作した写真集。前年のIOC総会で、1960年大会の開催地としては東京はローマに敗れたが、本命である1964年大会の招致成功を目指して作成された写真集である。第1部は著名な日本人選手の紹介、第2部は東京のホテル、地下鉄、百貨店、祭りなどの紹介。さらには列車の食堂車における西洋的ホスピタリティの様子も表現されている。

4 『1964 to TOKYO』

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 1959年にミュンヘンで開催されたIOC総会の直前に作成された写真集。この総会で1964年のオリンピック開催地が東京に決まることから、招致活動最後の写真集である。1958年に竣工した国立競技場や東京体育館など、競技場の紹介がフランス語と英語でなされている。東龍太郎都知事はアジアでの初開催を日本国民が切望していると述べている。

5 『東京オリンピック招致委員会(2012)立候補ファイル』

個人蔵

 2020年のオリンピック競技大会の開催地に立候補した時の立候補ファイル。ビジョンとして次の5項目が掲げられた。
  1. 日本国内外においてオリピックに更なる価値をもたらし強化する
  2. 十分に計画された安全な大会の開催
  3. 都市の中心で開催されるダイナミックな祭典に世界を歓迎
  4. 友情と相互理解を促進
  5. 急速に変化する世界の中にあってオリンピズムを保ち続ける

6 『オリンピック・パラリンピック学習読本, 小学校編』

 所蔵情報 

 東京都教育庁が編纂した小学生向けのオリンピック・パラリンピック学習読本。2016年3月に発行され、東京都内のすべての小学校の生徒1学年分が全校に配布された。本学体育系真田久教授(東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議座長:当時)が監修に携わった。内容は、オリンピック・パラリンピックの精神、日本における歩み、日本の文化・伝統、2020大会の紹介などである。

7 『オリンピック・パラリンピック学習読本, 中学校編』

 所蔵情報 

 東京都教育庁が編纂した中学生向けのオリンピック・パラリンピック学習読本。2016年3月に発行され、東京都内の中学校の生徒1学年分が全校に配布された。内容は、オリンピック・パラリンピックの精神、日本におけるオリンピック・パラリンピックの歩み、日本の技術と日本文化、東京2020大会におけるマナーや交流のあり方について書かれている。

8 『オリンピック・パラリンピック学習読本, 高等学校編』

 所蔵情報 

 東京都教育庁が編纂した高校生向けのオリンピック・パラリンピック学習読本。2016年3月に発行され、東京都内の高等学校の生徒1学年分が全校に配布された。内容は、オリンピズム(オリンピックと平和、聖火リレー、アンチ・ドーピングなど)、日本におけるオリンピックとパラリンピックの歴史、日本の技術と文化、東京2020大会の目指すもの、などにわたっている。

9 『運動競技資料とオリムピック事情』

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 1936年のベルリンで開催されたIOC総会にて、1940年の東京オリンピック開催が決定したことにより編纂された、オリンピックについて紹介した資料。鳩山一郎前文部大臣による「明朗快活」および大日本体育協会名誉会長嘉納治五郎による「二十七年間ノ苦心漸ク實ヲ結ブ」の題字が書かれている。内容は、学校体育の価値、職場や家庭での体育、運動と衛生など基本的な理論と各種競技の練習方法、オリンピック競技大会の歴史などについて記されている。

10 『オリムピックの書』

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 1940年の東京オリンピックの開催が決定したことを受けて書かれた、オリンピックについて紹介した図書。平生釟三郎文部大臣は挨拶文で、日本国民が確乎不抜の日本国家観念と、光輝ある武士道精神とを理解しなければならないと述べており、国家主義的な色彩の漂う要素も含まれていた。内容はオリンピックの意義、古代オリンピック史、近代オリンピックの復活、近代オリンピック史、各大会における日本の戦績について書かれている。

11 『東京オリムピック大会を目指す金儲け』

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 1940年の東京オリンピック開催が決定したことを受けて1936年8月に出版された。オリンピックは、多くの来客が押し寄せる千載一遇の金儲けのチャンスであるとし、どんな商売ができるかを紹介した図書。1936年のベルリン大会ではソーセージやビールが飛ぶように売れたことを紹介し、日本でおすすめの新商法を掲げている。サイン一手引受屋、記念スタンプ屋、移動写真屋、選手一覧表屋、ホットドッグ屋、ヤキサンドウイッチ屋など46種類の紹介がなされている。

12 『オリムピック英語会話』

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 1940年の東京オリンピック開催に備えて、外国人に対して、英語で案内や日本の紹介ができるように作られた英語会話のテキスト。東京オリンピックの返上が決まって3年後の1941年に出版されている。内容は、時間と天候、食事と飲酒、鉄道やホテルでの会話のほか、スポーツと趣味についての会話が収められている。スキー、スケート、テニス、ダンス、ヨット、ボート、水泳、魚釣り、飛行機、自動車、自転車、ハイキングなど多彩に取り上げられ、それぞれの会話の例があげられている。

13 『Tourist library』

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 1940年の「幻のオリンピック」の招致から返上の過程と重なる1930年代、当時の鉄道省国際観光局によって発行された、日本文化を紹介する冊子一式。全40冊からなり、城や温泉などの観光のみどころや日本人の文化様式に関する様々なテーマが含まれている。相撲、踊りなどの身体文化、そして嘉納治五郎の執筆による「柔道」が紹介されている。海外の新聞雑誌や旅行業者、図書館等に頒布された。

14 『第十二回オリンピック東京大会東京市報告書』

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 1940年に開催予定であった第12回オリンピック東京大会に関して東京市がまとめた報告書。招致・準備・返上の顚末についてまとめている。主競技場(メインスタジアム)の場所が決まらず、神宮外苑競技場の拡張工事は理解を得られず困難として、最終的に駒沢に主競技場を設置することを1938年4月7日に決定した。しかしその3ヶ月後に、大会返上を余儀なくされる。その前後の経緯についても詳細に記されている。

15 『紀元二千六百年記念 日本万国博覧会』

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 皇紀2600年(1940年)を記念して、政府が計画していた万国博覧会のために組織委員会が作成したポスターで、黄金の火の鳥が描かれている。日程は1940年3月15日~8月31日、開催地は東京(晴海、台場)と横浜を予定にして、各国への招請、前売り券の発売まで進んだが、日中戦争の勃発により、1938年に無期延期が決定され、幻の博覧会に終わった。東京の築地と月島を結ぶ勝鬨橋は、万博開催に向けて建設され、1940年に完成した。

16 『オリンピック写真史大鑑』

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 第12回オリンピック東京大会招致記念事業として、1938年6月15日に明治天皇奉讃会により発行されたオリンピックの写真史と解説書。序には、建国2600年、国威発揚とともに、「国際親和を計り、相互の文化交換の機と成す」べきなどと説明されている。金栗四三や織田幹雄の追想、孫選手の特集など、内容は充実している。皮肉にも発行の1ヶ月後にオリンピックの返上が決定される。  
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17 『小学校国語 6年下(五輪の旗)』

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 1959年、ミュンヘンで開催されたIOC総会において、東京への招致演説を行った平沢和重が使用した小学校6年生用の国語の教科書で、当時広く使われていた。この中に掲載されている「五輪の旗」のエッセイの一部を読み上げ、日本の子どもたちはオリンピックの理念や創設者クーベルタンのことをよく理解していると訴えたことで、大会招致に成功したといわれる。

18 『オリンピック読本, 小学生のために』

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 文部省が東京オリンピック(1964年)に向けて作成した「オリンピック読本」の小学生版。全国の各教育委員会等に約50,000冊が配布された。アジアで初めてオリンピックを開催するにあたり、その歴史や意義、創始者であるピエール・ド・クーベルタン男爵の言葉が紹介され、さらに巻末にはオリンピック小辞典、オリンピック賛歌の楽譜を備えている。オリンピック学習の参考資料となったものと考えられる。

19 『オリンピック読本, 中学生のために』

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 文部省が東京オリンピック(1964年)に向けて作成した「オリンピック読本」の中学生版で全国の各教育委員会等に約35,000冊が配布された。古代オリンピックに関する内容が含まれ、また障害を乗り越えたアスリートがオリンピックで活躍したエピソードも掲載されている。「東京大会を迎えるわたくしたちの心構え」として、公徳心や環境美化の必要性も述べられている。

20 『オリンピック読本, 高等学校・青年学級向け』

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 文部省が東京オリンピック(1964年)に向けて作成した「オリンピック読本」の高校、青年学級(就労している若者)版で全国の各教育委員会等に約28,000冊が配布された。オリンピックの歴史に関する内容とともに、東京大会の招致過程や資金計画、外国人を迎える態度、そして政府が推進する「オリンピック国民運動」への積極的な参画が呼びかけられている。

21 『東京オリンピックを見るために : 競技時計の見方、よみ方』

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 東京オリンピックは、史上最大のオリンピック・記録のオリンピック・科学のオリンピックとも言われた。それは日本のすぐれた精密測定機器が動員されたからで、セイコーは種々の競技用時計を開発した。競技用時計の正しい見方を知る冊子として、マラソン・競歩用時計、秒大時計、バスケットボール時計など、競技別の時計が紹介されている。

22 『テレビが2倍楽しくなる! 東京オリンピック・ガイド』

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 東京オリンピックのガイドとして作成された雑誌の付録。テレビ視聴のために競技日程のほか、競技種目の解説や会場案内図、有望な日本人選手と外国人選手などが紹介されている。さらには来日した外国人との会話(簡単なあいさつ、道案内とTV観戦を一緒にする時)について、気をつけるマナーとともに英語、フランス語、ドイツ語で紹介されている。

23 『Tokyo Olympics : official souvenir 1964』

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 株式会社電通がオリンピック東京大会組織委員会の監修のもと作成した公式土産としての冊子。日本の古美術に描かれたスポーツに相当する絵画の紹介や東京オリンピックの競技種目、科学と造形美を駆使した競技場や芸術展示の紹介がなされている。また、聖火リレーの国外ルートも紹介されている。公式の土産物としてゲスト観戦者に提供された。

24 『スポーツ研究所報』

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 1960年に東京教育大学体育学部に設置されたスポーツ研究所の紀要で1976年まで発行された。「筋収縮の種類と出し得る力」、「跳躍競技の力学的考察」、「国立競技場および後楽園球場における風に関する風洞実験」など、競技力向上に関する研究が行われた。これらの研究は、オリンピック選手のパフォーマンスの向上を目指したもので、日本におけるスポーツ科学の発展に貢献した。

25 『Tokyo Games facilities, Oct. 10-24, 1964』

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 オリンピック東京大会組織員会により制作された競技施設の紹介。明治神宮オリンピックエリア(国立競技場、秩父宮ラグビー場、東京都体育館、東京都屋内水泳場、代々木国立体育館、渋谷公会堂)、駒沢運動公園エリア(競技場、体育館、ホッケー場、馬事公苑)、その他東京都内の施設、近隣県における施設の4カ所に分けて写真とともに説明されている。

26 『XVIII Olympiad official bulletin』

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 1960年から1964年にかけて、オリンピック東京大会組織委員会が大会の準備状況について、IOCや諸外国向けに作成した冊子。4年間で21冊発行している。内容は、各号毎に、競技施設、競技日程、輸送計画、放送センター、日本文化の紹介などがなされている。電気時計によるタイムの計測の試験の結果や、過去の気象のデータから10月の天候状況、またスポーツ器具の輸入の手続きなども示され、外国の関係者への広報としての役割を果たした。

27-1 『Tokyo 1964 Olympics Games official poster』

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 1964年の東京オリンピック公式ポスターは、グラフィックデザイナー亀倉雄策のデザインにより全部で4種類作成された。そのうちの第1号で、東京オリンピックのシンボルマークをそのまま用いている。日の丸は聖火の「火」と太陽の「日」とを重ね合わせている。大会3年前に製作され、大会までに10万部が都道府県や公共施設などに配布された。

27-2 『Tokyo 1964 Olympics Games official poster』

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 公式ポスター第2号。陸上短距離選手のスタートダッシュの写真が選ばれた。日本人選手3人と立川基地のアメリカ軍人3人がモデルとなり、寒い中、夜の国立競技場で撮影が行われた。第1号ポスターの1年後に製作され、大会までに9万枚が配布された。オリンピック史上初の写真を使用した公式ポスターになった。

27-3 『Tokyo 1964 Olympics Games official poster』

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 公式ポスター第3号で、力強く泳ぐアスリートが採用された。第2号ポスターと同様にカメラによる撮影が行われ、競泳の自由形や外国人選手をモデルとして撮影もされたが、最終的にバタフライの日本人選手が選ばれた。第2号ポスターの1年後に製作され、大会までに7万枚が都道府県、公共施設等に配布された。

27-4 『Tokyo 1964 Olympics Games official poster』

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 最後の公式ポスターとなる第4号ポスター。採用されたデザインは聖火ランナーで、間もなく大会が始まることを暗示している。撮影は冬の荒川土手で行われた。1964年の聖火リレーはギリシャからアジアを横断して日本に入り、全ての都道府県を巡ることが発表されていた。オリンピック開催年に製作され、大会の開催日が記されている。



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