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図書館で図書を捜すには?(請求記号の見方) 〜中央図書館にて〜

Q:WWWのOPACを検索して,「芥川龍之介全集 第5 巻」「文芸年鑑 1998年版」「日本文學講座 第 13巻」の3冊の本が中央図書館にあることがわかっ たのですが,どこを捜したらよいのでしょうか。
A:所蔵データの請求記号は図書の背に貼られてい る図書ラベルと対応しています。書架を捜すとき には,図書ラベルを手掛りに捜します。それでは 請求記号を順番にみていきましょう。
1冊目 書名:芥川龍之介全集 第5巻
  請求記号:918.68-A39-5
A:図書ラベルは3段になっています。1段目は分 類番号,2段目は著者記号,3段目は全集などの 巻次などが表示されます。この図書は請求記号が 数字で始まっているので,NDC(日本十進分類法 =Nippon Decimal Classification)分類図書です。 中央図書館では, 分類番号を次ページの表1のよ うに階ごとに分野別に分けて配置しています。同 じ分類番号の中ではさらにラベル2段目で,著者 記号の順に並んでいます。お捜しのこの図書は, 請求記号が911.68ですから,中央図書館では本館 3階に配置されます。
2冊目 書名:文芸年鑑 1998年版
  請求記号:Z91-B-1998
A:このような請求記号が'Z'で始まっている図書は, Z物(ゼットモノ)と呼ばれています。 Z物とは, 逐次刊行図書のことで, 年鑑・年報・ 統計書を含みます。Z物の分類番号は, Z物を表す 'Z' とNDCの頭2桁との組合せで出来ています。Z物 は, 次ページの表2のようにNDC図書と一緒に該当 する主題の先頭に配置されています。お捜しの図 書は, 分類番号がZ91となっているので, 3階の 910(日本文学)の先頭にあります。
3冊目 書名:日本文學講座 第13巻
  請求記号:ル106-60-13
A:こちらの図書は, 東京教育大学分類図書(旧分 類図書)と呼ばれるものです。中央図書館の1階と 中2階に配置されている, 筑波大学の前身の旧東 京教育大学時代までの図書約45万冊は, 東京教育 大学独自の分類によって分類されています。これ らは次ページの表3のようにNDCで分類された図書 とは別置されています。東京教育大学分類は和洋 に区別され, 請求記号はそれぞれ和書はイロハ, 洋書はABCで始まっています。お捜しの図書は, 1階にあります。図書の配置図は, 中央図書館本 館1階の旧分類書架入口に掲示してありますので, 詳しい場所はそちらをご覧ください。
 東京教育大学分類図書は, 従来はカード目録や 冊子体目録でしか捜せませんでしたが, これらの 古い時代に受け入れた図書のデータもOPACで検索 できるように, 現在, 遡ってデータ入力を行って います。この入力作業は1996年度から大規模に始 まり, 現在も順調に入力が行われていますので, OPACを検索すると, 請求記号がイロハやABCで始 まる図書のデータがヒットすることも多くなりま した。
Q:ところで, なぜ図書館の本には分類番号がつけられて,図書ラベルが貼られているのでしょうか。
A:図書館では,図書が届いたら,そのまま書架に 並べるのではなくて,図書の書名や著者,出版社, 出版年などのデータの他に,図書の内容から分類 番号を決定して,皆さんに利用してもらうOPACの もとになるデータを作っています。書名などがわ からなくても,該当する主題の分類番号を調べれ ば,OPACを検索することが出来ますし,筑波大学 の図書館は原則として全面開架なので直接書架を 捜すことも出来ます。そして,OPACデータをみた 人が本にたどりつくことができるように,図書の 背表紙にラベルを貼っています。これらの作業は NDCで分類されている図書も東京教育大学分類図 書も,図書館の和書データベース係と洋書データ ベース係が担当しています。書店などと比べて図 書館に置いてある資料はずっとずっと数も多く, 分野も年代も多岐に渡っているので,もしこの作 業が行われなければ,受け入れた本はあっという まに蔵書の海の中に埋もれて見つけ出せなくなっ てしまうでしょう。
中央図書館の詳細な配置図等   http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/reference/haichizu/loc.html
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Last updated: 1999/07/16