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電子図書館システムの構成
岡部 幸祐
平成10年の1月に筑波大学電子図書館システムが導入されました。
このシステムは,筑波大学が所蔵する貴重図書等及び紀要,学位論文,研究成果報告等本学で生産された資料の全文を広く学内外に発信することができます。
発信する全文情報は,画像または文字データとして電子化され,蔵書目録(OPAC)から検索し,閲覧できるようになっています。
既に稼動している図書館業務システムと今回導入されたシステムは有機的に統合され,筑波大学電子図書館システムは以下のような構成となりました。
- 原文データベースサーバシステム *
- 画像蓄積サーバ
- 全文蓄積/検索サーバ
- CD-ROMデータベース統合検索システム *
- NSCDNet
- CA on CD
- ディジタルビデオ・システム *
- ビデオサーバシステム
- 利用者用コンピュータシステム
- 業務システム
- データ入力・編集システム *
- データ入力・編集サーバ
- データ入力・編集用ワークステーション
- データ入力・編集用パーソナルコンピュータ
- データ入力・編集用機器
- 利用者用コンピュータシステム *
*は新規導入
筑波大学電子図書館システムの中で今回新たに導入されたシステムについて,少し詳しくみてみましょう。
1.原文データベースサーバシステム
原文データベースサーバシステムは2台の画像蓄積サーバと1台の全文蓄積サーバからなります。全文データは画像イメージ情報または全文テキスト情報,その他の形式の情報としてこのサーバシステムに蓄積され,提供されます。
- 1)画像蓄積サーバ
-
サンマイクロシステムズのUltra Enterprise3000が2台,サーバマシンとして使われています。主記憶容量はそれぞれ2GBあり,CPUにはxxxMHzのUltraSPARCプロセッサが4個ずつ搭載され,高速なデータ処理が可能となっています。外部記憶装置には126GBの記憶容量を持つディスク・アレイがそれぞれに接続されています。40GBの内蔵ハードディスクと合わせ2台で約300GBもの記憶容量を持つことになります。その他に500枚収容可能なCD-ROMチェンジャーも接続されています。
このサーバには原文画像情報を150万ページ以上格納することができます。
- 2)全文蓄積・検索サーバ
-
同じくサンマイクロシステムズのUltra Enter-prise 3000が1台サーバマシンとして使われます。主記憶容量は同じく2GBあり,高速な検索を可能とするためCPUにはxxxMHzのUltraSPARCプロセッサを6個搭載しています。外部記憶装置には内蔵40GBのハードディスクの他,126GBの記憶容量を持つディスク・アレイが1台接続されています。
このサーバには40億バイトの全文情報文字情報が格納できます。同時に電子図書館の検索システムもこのサーバに持っています。図書・雑誌の書誌,目次情報等を検索キーで検索し,リンクされている全文イメージ情報を表示します。
2.CD-ROMデータベース統合検索システム
いままで,個別に利用していたいくつかの市販2次情報CD-ROMを統合して検索できるシステムです。サーバにはサンマイクロシステムズのUltra Enterprise 2を使用し,接続された151.2GBのディスク・アレイにデータを格納し,MEDLIN, CurrentContents,雑誌記事索引等をそれぞれのデータベースを意識せず統合されたインタフェースで利用できます。
3.ディジタルビデオ・システム
ディジタルビデオ・システムは動画像をディジタルデータとして蓄積し,送信するサーバと,そのデータを再生する専用のパーソナルコンピュータで構成されます。
- 1)ビデオサーバシステム
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サンマイクロシステムズのUltra 2 Model2200に54.6GBの記憶容量のマルチディスクパックを3台接続しています。このハードディスクに動画像データを格納し,専用のパーソナルコンピュータからの要求によりデータを送信し,高画質の動画像がみられます。
- 2)利用者用コンピュータシステム
-
動画像を再生する機能を搭載した,ビデオサーバシステム専用のパーソナルコンピュータを中央図書館新館2階に5台導入しました。
4.データ入力・編集システム
実際の入力・編集作業を行なうためのシステムで,サーバ,ワークステーション,パーソナルコンピュータ及びスキャナ等の周辺機器からなります。
- 1)データ入力・編集サーバ
-
電子図書館システムに登録される様々なデータについて事前の処理を行ったり,電子図書館に追加される機能のテスト等をこのサーバで行います。
- 2)データ入力・編集用ワークステーション
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登録される資料を電子化し登録する作業をこのワークステーションで行います。カラー,モノクロのスキャナ等入力装置が接続されています。
- 3)データ入力・編集用パーソナルコンピュータ
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冊子体の資料を上向きに広げたままスキャニングできるスキャナやフィルムスキャナ等の入力装置がこのパーソナルコンピュータに接続されています。
- 4)データ入力・編集用機器
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冊子体資料は画像データとして電子図書館システムに登録されます。この作業のためにカラー,モノクロのスキャナを始め,冊子を上向けのまま取り込める上向きスキャナ等が用意されています。その他スキャニングできない大型の資料や巻物,版木等にも対応できるようにディジタルカメラやフィルムスキャナ等の機器も用意されています。
5.利用者用コンピュータシステム
電子図書館システムをより有効に利用できるように高性能のパーソナルコンピュータを中央,体芸,医学,大塚の各図書館合わせて100台導入しました。筑波大学電子図書館はWWWの一般的なブラウザーから利用できます。この利用者用コンピュータにはその他telnetのサービスも用意されています。図書館内にはこの他に既設のパーソナルコンピュータ約80台と教育用計算機システムのパーソナルコンピュータ約60台とが配置され自由に利用できます。
筑波大学電子図書館では,この他NSCDNetでのCD-ROMデータベースネットワーク提供サービスやCA on CD等のサービスも合わせて行われます。一部は学内からのみのサービスとなりますが,ネットワークに接続された標準的なコンピュータから原則的に24時間利用することができます。現在はまだ,システムの運用準備,データ整備等の作業中です。まもなく本稼動する予定です。
(おかべ・こうすけ 情報システム課システム管理係長)
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Last updated: 1998/04/30