Previous前の記事  Up目次  Next次の記事

筑波大学電子図書館の構想

森 茜

 「筑波大学電子図書館」は, 筑波大学附属図書館が, 電子的な技術と手段によって, 学内はもとより広く学外に提供する図書館サービスの総体を指す名称です。

 これによって, 利用者は, インターネットに繋がる標準的なコンピュータ環境に接続されたコンピュータ端末から, 24時間, いつでもどこからでも, 筑波大学図書館が発信する貴重な情報にアクセスすることができます。

 筑波大学電子図書館の最も重要な構成要素となるものが, 全文データベースです。利用者は, 従来ならば, 筑波大学に赴かなければ見ることのできなかった様々な国際的な貴重図書を閲覧できるようになります。たとえば, ルソーの著した『エミール』の初版本を美しい口絵とともに閲覧できます。また, 従来ならば, 限られた範囲にしか配布されていなかった筑波大学で生産された様々な研究成果に容易に触れることができます。筑波大学では創設以来, 学内外を横断的に組織した学際的なプロジェクト研究が活発で, 優れた研究成果を多数生産してきました。科学研究費による各種の研究活動も盛んです。たとえば, 科研費特別研究「沖縄の歴史情報」等では, 全国に散在する膨大な関連文献が電子的なディレクトリに導かれて閲覧できる予定です。さらに, 萌芽的な研究に関心のある方には筑波大学学位論文が役立つでしょう。全学で 100タイトル以上刊行されている本学研究紀要の全文データも予定されています。

 このように, 貴重図書の他, 筑波大学の研究成果を広く世界に発信していくのが, 筑波大学電子図書館の最も大きな特色です。

 しかも, これらの全文データは, オンライン蔵書目録(0PAC)と有機的にリンクされています。筑波大学附属図書館は, 電子図書館の導入に際し, OPACの考え方を整理し, 従来は図書・雑誌しか収録されていなかったOPACに, 視聴覚資料・学位論文・電子資料など, 形態の異なる資料の書誌情報をも統合的に取り扱えるようにしました。その上で, OPACの書誌情報データと全文データベース情報にハイパーリンクを施してあります。そうすることによって, 利用者は, OPACをひけば, その資料の所在場所や形態などを知ることも, 電子化されているかどうか, あるいは, 電子情報だけなのかどうかなどが一目でわかり, 電子化されていれば, アイコンをクリックするだけで, すぐに全文を読むことができます。ハイパーリンクにより, 情報探索上, 極めて便宜に設計されています。筑波大学附属図書館は, 昭和52年以来, 受入図書の全てをOPACに登録しており, 今やその登録は, 蔵書 195万冊中 110万件です。現在は全文データが少ないので, 電子資料リストや全文データ検索の 方が迅速ですが, いずれOPACからのリンクが効を奏するでしょう。

 学術論文情報データベースとのリンクもあります。学術論文情報データベースは, 学術雑誌や紀要などに掲載された記事について, 論文単位に書誌情報をデータベース化したもので, 研究・学習活動では不可欠のツールです。そのうち本学刊行紀要は, 図書館創設以来, 目次情報をデータベース化してきましたので, それと全文データベースの紀要情報にリンクを施しました。研究者が必要とする学術論文情報の多くは, 市販のCD-ROMによっています。図書館では, 過去2期6年にわたる図書館電子化推進計画の中で,Current ContentsやMEDLINE など20タイトルを越えるCD-ROMを整備してきました。電子図書館の導入に際し, これらのCD-ROMを統合的に検索できるようなシステムを導入し, 電子図書館サービスの一環として WWW上で提供します。但し, このCD-ROM統合検索は, 出版権等の関係で学内のみのサービスとなります。

 さらに, 国内・国外の学外蔵書検索や様々なサーチエンジンにアイコン一つで飛べるようなリンクも用意します。

 このように, 「筑波大学電子図書館」は, 学内蔵書検索をキーステーションにして, 基幹データベースである全文データベースや学術論文情報データベースなどに自在にナビゲートのできる総合的・統合的な図書館サービスを目指しています。

(もり・あかね 図書館部長)


Previous前の記事  Up目次  Next次の記事

筑波大学電子図書館トップページへ


(c)筑波大学附属図書館   voice@tulips.tsukuba.ac.jp
Last updated: 1998/04/28