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新たな千年紀に向けて

山下 洋一


 図書館情報大学開学20周年おめでとうございます.私は平成5年度から6年度にかけて2年間,附属図書館に勤務いたしました.ちょうどその頃,全国的に文部省が推進する学術情報基盤整備による学内LANが敷設されている時期でもあり,図書館情報大学も平成5年度の補正予算でFDDIの光ケーブルが敷設され,電子時代の幕開けを予感させる出来事であったように思います.事実その後の展開は急速に電子化の波が押し寄せ,今日では図書館情報大学は優れた先導的な電子図書館システムを構築し,広く学内外にサービスを実施していることは周知のことです.
 間もなく次のミレニアム(千年紀)を迎える2000年が眼前に迫っています.図書館情報大学は開学以来多くの逸材を輩出してきましたが,最初のディケードというのは,全国各地に蒔かれた種がそろそろ実を結ぶ頃ではないでしょうか.今日の電子図書館に象徴されるネットワーク化された電子情報と,今後も続くであろう紙媒体を中心とする伝統的な図書館を,どのように調和させ,新たな図書館像を理論化・具体化できるか,図書館情報大学の役割を期待する多くの声があることを考えると,図書館情報大学の存在意義と結実期にある卒業生の活躍がますます重要と思われます.
 図書館情報大学のさらなる発展を祈願します.


For the New Millenium in ULIS, by Yoichi YAMASHITA
東京大学附属図書館情報管理課長