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総合情報処理センター発足の頃

湯本 一義


 私は平成2年4月に創設11年目の図書館情報大学に赴任しました.当時図書館情報課は附属図書館の他に図書館情報システム開発センター,メディア機器センター,演習実習施設,公開図書室の4つの「特殊施設」を所掌しており,本学ならではの体制でした.しかしながらいずれも10年の歳月と共にそれぞれに深刻な課題をかかえ解決を迫られていたことは,私の2代前の外村課長が,本誌10周年特集号に記していることからも窺われます.
 演習実習施設を除いては運営費等の予算要求と関わっているため早急な結論を求められていました.争点はメディア機器センターと公開図書室の存続に集約されたと思います.審議の経緯は省略しますが,メディア機器センターは図書館情報システム開発センターと機能を合体し,発展的に統合転換することとして 「総合情報処理センター」が発足しました.一方の公開図書室は熱心な市民,学生,教員が,そして職員もボランティアで手塩にかけて育て運営してきただけに,廃止することには心情的に大きな抵抗がありました.幸い各方面のご理解のもとに円満に解決できたことが印象深く思い出されます.
 図書館情報大学を離れて7年になります.行く先々の大学図書館には多くの卒業生が採用されており,情報処理にも強い図書館職員として本学教育の成果をいかんなく発揮しています.創設20周年を機として益々のご発展を祈念いたします.


First Years of ULIS Information Processing Center, by Kazuyoshi YUMOTO
信州大学附属図書館事務部長