表紙へ    前の記事    次の記事


よき伝統-附属図書館の20年に寄せて-

大場 秀穂


 本学は昭和54年10月に開学し,本年で20周年を迎える.附属図書館も20年の歩みを共に刻んできた.
 現在,大学図書館は,学術研究の著しい進展,情報化・国際化の進展等により時代の転回点を迎えている.その状況の中でそれぞれ自らの役割を見据えながら大きく変貌しつつある.本年6月の学術審議会答申「科学技術創造立国を目指す我が国の学術研究の総合的推進について-「知的存在感のある国」を目指して-」中で「図書館も大型計算機センター,総合情報処理センター等は…(中略)…有機的な連携を強化することや,組織を再編成して一体化することなどの工夫を進める必要がある.」と指摘されており,この方向での組織再編の試みや体制整備,議論が大学図書館界を賑わしている.
 本学図書館においても(図書館情報学を志向する大学としては当然のことかもしれないが)従来から総合情報処理センターとは緊密な連携協力の歴史を積み重ねてきている.また,本学においてこれに限らず広範な研究者と図書館職員の連携協力のもとに図書館の研究開発・運営が行われてきたのである.ごく最近でも電子キャンパスプロジェクト,ディジタル図書館の構築,「開学20周年創基80周年記念特別展示会・講演会「メディアそれぞれの時代」-粘土版から電子書物まで-」の企画(将来的にメディアミュージアム構想の実現に繋がる重要な仕事である.),SCSの導入と図書館職員のリカレント教育プログラムの企画など多岐にわたっている.このような方向は建学当初から本学図書館に求められているところであり,このよき伝統をもって今後も新たな展望を切り拓いていければと思うのである.


Good Tradition of our Library, by Hideho OHBA
図書館情報課長