R: この論文をどのような方に読んでもらいたいですか?
Y: いろんな人に読んでいただきたいですけれども,特に,生活習慣病の勉強をされてる方たち,あるいは興味のある方たち,そして今実際に生活習慣病に対してその治療とかそれから予防とかで大変だなあと思ってらっしゃる方に,どういうアプローチをしたらよいか,そういうようなことを知ってもらうのにはよいと思いますね。
我々のもうひとつの発想はですね,ホントにすごーく太ってても,それこそ体重300キロくらいあっても,糖尿病でもなければ,血圧も低ければ,動脈硬化もほとんど進んでないという方もいるんです。
R: そういう人は存在するんですか!?(うらやましさ爆発)
Y: もちろんもちろんいますよ。そういう人たちの体の中には,まさにここで言ってるような,糖尿病にならないとか,太っても好きなもの食べてても,あるいは糖尿病にならないだけじゃなくて,高脂血症にもならない,そういう体の中のメカニズムがあるはずなんです。そのメカニズムを知りましょう,ということなんです。そうすることによってそこから新しい治療法というものを見つけることができるのではないかと。最初コレステロールでずっと頑張ってきて,ちょっと一瞬がっかりしたけど,そこからさらに面白くなってきたんです。
R: 今の時代にぴったり合ったご研究なんですね。
Y: 私は運のいいことに,コレステロールがらみのこともずっと全部つながってるんですね。ですからそういう意味ではラッキーだったなと思っています。ある一つのことをしつこくやってると,それが意外と関連してきて,つながるんですよ。
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