筑波大学附属図書館報「つくばね」
図書館情報学実習を体験して
佐々木明子
 今回の図書館情報学実習では,目録作業や相互貸借など様々な業務を体験しました。今まで講義で学んだことと,実際の現場での違いや新たな発見,また質問するうちに気づいた事など,色々と考えることが多い日々でした。
 目録作業では,大量の図書を扱う大学図書館はNACSISを利用することによって,作業が楽になっているのだということを実感できました。また,相互貸借でも,NACSIS-ILLで各大学図書館や国立国会図書館が協力しあうことによってスムーズに貸し借りができるようになった,というお話を聞き,実際に作業をしてみてILLサービスはとても便利なものでした。作業する側だけが利用しやすいのではなく,利用者もより図書館を使いやすくなったのではないかと思い,素晴らしいものだと思いました。
 電子図書館係では,講義で習ったことがほとんど出てきたので理解しやすかったのですが,やはり憶えていないところもあり,家に帰って復習もしました。世の中がどんどん電子化していっていることに,図書館もついていくのは大変なことだとは思いましたが,利用者やこれからの図書館を考えると避けられないことで,司書に求められているのは図書に関する知識だけではないと改めて感じました。
 図書受入係では,図書の発注や受け入れ等を体験実習中の筆者(左)しました。筑波大学図書館の選書の基準は,利用者側からは分からなかったのですが,図書の購入にいくつかパターンがあって,それによって基準が違うということが分かりました。レファレンスサービスでは,実際に利用者の方に対応したのですが,ほとんどが文献や論文複写依頼だったことに驚きました。依頼の利用者は院生が多かったのですが,ここまで利用者が多いとは思っていなかったからです。とても便利なサービスだと思うので,私も利用する機会があれば積極的に利用しようと思いました。
 最後の三日間は普段利用している図書館情報学図書館だったのですが,保存書庫や貴重書保管庫などは,普段行く機会がありませんでした。そこで戦争をくぐり抜けてきた本を見つけることができ,そんな昔の本が,今目の前にあることにとても感動しました。図書館の基本的な役割である資料の保存の大切さを,改めて感じました。
 最後になりましたが,3週間もの間丁寧に親切に対応してくださった筑波大学附属図書館の皆様に,お礼を申し上げたいと思います。講義だけでは得られない考え方や図書館の事情などを知ることができ,良い機会を頂けたと思います。本当に有難うございました。

(ささき・あきこ 図書館情報専門学群3年)
<<前の記事へ |  目次へ |  次の記事へ>>
(C)筑波大学附属図書館