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Readingバトン(中山伸一 附属図書館長)

2013年2月18日
Readingバトン -教員から筑波大生へのmessage-
吉武大学研究センター長に続く第4走者として、中山伸一 附属図書館長から寄稿いただきました。

 

 

Pick Up
『ケモインフォマティックス : 予測と設計のための化学情報学』J. Gasteiger, T. Engel編 ; 船津公人, 佐藤寛子, 増井秀行訳.丸善 , 2005.2【分類430.7-G25】

Book Review
 「ケモインフォマティックス」という多分皆さんにとって聞き慣れないタイトルを持つ本書は、600ページを越える分厚いものです。その冒頭には「ケモインフォマティックスとは化学の問題を解決するための情報科学の応用である」と述べられています。このような学問領域があるということを知っている方は少ないでしょう。そこでは、分子の構造を始めとする化学の情報をどのように扱うか、それをコンピュータでどのように処理するか、さらにそれらに関わるデータベースをどう作るのかということから、データベース等にして集めた情報を使って特定の構造の分子を作るプロセスをどのように設計するか、ある構造の分子がどのような物理的、生理的性質を持つかをどのように予測するかなどの大変幅広い研究を行っております。しかしながら、日本の大学の化学科においてこのような内容の科目は余り見られず、その意味で教科書になるような本はほとんどありませんでした。本書の編集者であるGasteiger先生と監訳者である船津先生はドイツと日本でそれぞれ30年以上に渡ってこの領域の研究を推進してきた第一人者です。その経験と実績をもとに作られた本書は「ケモインフォマティックス」の多様な研究領域を分かりやすく説明しており、この領域で研究する方のための入門書として最適な一冊です。化学や情報科学、情報工学を専攻する学生でこの領域を志す方には一度手に取っていただきたいと思います。

■次は、秋山学先生(人文社会系准教授)です。