III. 趣味としての文学

 高梁中学時代、親友の西雅雄によって宇野は文学への目を開かれる。以来、石川啄木、萩原朔太郎、徳富蘆花などを愛読した。
 また、宇野は何首かの川柳も残している。

「春浅き 隣はなにをした人ぞ」

 上の句は、治安維持法で検挙されたときに塩釜警察署留置所で詠んだものである。桑原武夫の「第二芸術論」にヒントを与えたものとする説もある。


22. 曽良著,山本安三郎編 『奥の細道随行日記』 小川書房,1944,第3版   所蔵情報  *本学所蔵は1943年発行
23. 西原柳雨 『川柳江戸名物』 春陽堂,1926,第3版   所蔵情報
24. 石川啄木 『啄木歌集』 東雲堂,1913 
25. 萩原朔太郎 『月に吠える』 感情詩社・白日社,1917,初版   所蔵情報  *本学所蔵は日本近代文学館1969年発行の復刊
宇野は表紙に魅せられて購入。
26. 桑原武夫 「第二藝術 ──現代俳句について──」(『世界』第11号(1946年11月)岩波書店に所収)[参考出品]

戻る(II. 「段階論」の成立)
次へ(IV. 治安維持法による検挙)
宇野文庫フロントページに戻る