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このたび筑波大学附属図書館では、中央図書館新館の増築を記念し、特別展「天正少年使節と『原マルチノの演説』」を開催いたします。
天正少年使節は、16世紀後半、信長や秀吉の時代にヨーロッパに渡り、ヴァチカンでローマ教皇の謁見を賜った日本人使節です。使節はヨーロッパの人々に日本を知らしめ、同時にヨーロッパからわが国に珍しい文物をもたらしました。活版印刷もその一つです。使節がヨーロッパから持ち帰った一台の印刷機によって、わが国に初めて活版印刷が誕生しました。『原マルチノの演説』は、彼らがヨーロッパからの帰路、その印刷機を用い、インドのゴアで出版した書物です。
当館では、貴重書展示室が設けられたのを機に、今後とも図書館資料を広く公開してゆきたいと考えております。最後になりましたが、本展のために貴重な資料をお貸しいただいた京都大学附属図書館に、厚く御礼申し上げます。
平成7年6月1日
筑波大学附属図書館長 北原保雄