『論語集註』

元亀写本『論語集註』 零本(存巻一) 一冊   (ロ860-28)
朱熹(宋)集註。元亀4(1573)年写。春永筆。
27丁。墨四周単辺。有界。各面10行、17文字。縦27.6cm、19.3cm。袋綴。
奥書:干時元亀四癸酉三月十三日書之春永筆/丁数*七/新注論語全部一筆。
柱:侖吾(巻一)丁数。
朱点。墨訓点送仮名。訓点法は桂庵点。
巻末に「大正九年四月三十日識 進斎(林泰輔)」と署した墨書解題二丁を合綴。
本書は日本で書写された集註本の最古の写本。もと10冊本で、筆者春永によるほぼ同じ識語をもつ巻2と巻10が青渕論語文庫(日比谷図書館)にあり、巻10には元亀4年10月16日に全冊を書写し終ったことが記されている。その第1冊である。筆者春永の伝は不詳。

 日本で書写された集註本最古の写本。本書に施されている訓点は桂庵点と称される訓点法によっており、訓点史上、経学史上において重要な研究資料である。

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Last updated: 2012/03/16