第一冊に「船橋蔵書」の印記がある。「船橋」とは、博士家である清原家の流れを汲む、儒道を家業とし歴代天皇の侍読をつとめた家柄である。この「論語抄」について、林泰輔は、『論語年譜』に「論語抄の中に於て最も完備せしものの如くなれば、清家中にありても特に学識ありしものの作なるべし。」と記している。
学而第一論語ト何晏���トノ四字ヲハ読
本注ノ唐本ニハ学而第一ト計リ有テ論語
ノ字ヲノセス其ヨリ口ニ論語巻之一ト有ソ何晏
ノ四字ハ無ソ新注ノ唐本ニハ論語巻之一
ト在テ其次ノクタリニ学而第一ト在リ故ニ不
読皇侃ノ疏ニモ論語ノ二字ハ無ソ学而一番
ニ置事降聖以下皆須学成故ニ学記云玉不
琢不成器人不学不知道是明人必須学乃
成此書既遍該衆典以教一切故以学而為
先也天自降聖人学文ヲ本ニサスルソ諸事学
ヨリ成ル者ソ 第ハ審諦也一ハ数之始也既
諦定篇次以学而居首故也又第ハ次第也
斉論ニハ時習ト置ソ
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Last updated: 2012/03/16