尖たる銀の管を附たる紙鳶(かみのぼり)を放ち又鉄の柱に鈴を附けて
我家の屋上(やねのうへ)に建て雷電の越歴(ゑれき)と同物たるを知れり 是防
雷(らいよけ)柱の濫觴なり今時行はるゝ電信等皆是より開けたり
鉄の柱地より高きこと三丈位。銀を鎔(とか)して尖端(とがりさき)を包 み離ざるやうに
拵へ其尖の銀より針がねのくさりにても上に絵の具をぬり錆(さび)ぬやう にすべし