Monthly Archives: 1月 2013

ARE 研究成果発表ポスター展示中!

1月22日から2月1211日までの予定で、中央図書館本館2階ラーニング・スクエアのプレゼンテーションエリア(吹き抜け下付近)にて、「ARE(先導的研究者体験プログラム)」に参加している学群生による研究成果発表のポスター展示を行なっています。

ARE研究発表ポスター展示(H24前半)

1月21日に行なわれた平成24年度研究発表会で展示されたポスターと同じものを展示しています。学群1-3年生が自ら研究計画を立てて行なった「研究」の成果をぜひご覧ください!
なお数が多いため、1月末に展示ポスターの入れ替えを予定しています。現在展示中のポスターは1月30日頃までの展示になりますので、気になる方はお早めにご覧になってください。
また優秀賞である「ポスター賞」受賞ポスターは全6点ありますが、前半後半で3点ずつ展示します。ポスター賞受賞ポスターには、その旨を表示してありますので、参考になさって頂ければ。

図書館で成果の発表っていうのも、ちょっと意外だけどよく考えたらちょうどいいのかも。研究成果も重要な学術情報のひとつだし、何よりたくさんの人の目に触れるし。学群1-3年生の「研究」成果、というのもすごいけど。
図書館は、今まで主に情報をインプットする場だったけど、こうしてアウトプットを展示することで、新しいインプットにもなって、さらなるアウトプットに繋がって…という知のスパイラルを作れればいいと思っています。
学習支援環境もそれなりに整ってきたし、インプットからアウトプットまで、一通りのことが図書館でできるんだよね。しかも、こういう成果の展示が時々あるから、いろんなインプットとアウトプットが混じる空間になってる気がする。
小さなことかも知れないけど、図書館が色々取り組んでいることが、少しでもみんなの刺激になれば嬉しいです。図書館が知的創造活動のコアとして認知されるようになりたいですね。


Readingバトン(吉武博通 大学研究センター長)

Readingバトン吉武先生写真Readingバトン-教員から筑波大生へのmessage-
山田学長波多野(前)附属図書館長に続く第3走者として、吉武博通 大学研究センター長にご寄稿いただきました。


表紙画像Pick Up
『希望のつくり方』玄田有史著.岩波書店 , 2010.10【分類081-I95-R1270】

Book Review
労働経済学を専門とする東京大学の玄田有史教授は、希望とは何かといった希望にまつわる疑問を明らかにしようと「希望の社会科学」という研究を立ち上げ、その研究成果を2009年に『希望学』全4巻(東京大学出版会)にまとめました。今回推薦する本はそのエッセンスをコンパクトに分かり易くまとめたものです。玄田先生が、希望学の研究フィールドに選んだのが岩手県釜石市。私も会社員時代に釜石製鉄所で人事を担当し、幾たびの苦難を乗り越えながら希望を持って生きてきた人々の姿に接してきました。授業でもこの本を薦めています。希望を成り立たせる4つの柱は何か?玄田先生が導き出した答えは本の中で確かめてみて下さい。

■次は、中山伸一 附属図書館長です。

※ 附属図書館注:
『希望学』全4巻も所蔵しています。


教員著作紹介コメント(吉田右子先生)

ブックコメントのアイコン吉田右子先生(図書館情報メディア系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。
【本の情報】
『読書を支えるスウェーデンの公共図書館 : 文化・情報へのアクセスを保障する空間』小林ソーデルマン淳子, 吉田右子, 和気尚美著.新評論 , 2012.9【分類016.23-Ko12】

【コメント】
図書館と北欧とリンドグレーンが好きな方はぜひ読んでみてください!

 「図書館を廃止することについてどう思うですかって? そんなこと今さら言うまでもないでしょう!図書館を廃止するなんて馬鹿なことをしてはいけないわ。多くの子どもたちにとって、図書館は読書ができる唯一の場所なんですよ。そりゃあ、図書館を維持していくのにお金がかかるということはわかりますが、図書館を廃止したら、将来もっともっとお金がかかることになりますよ」(三瓶恵子『ピッピの生みの親 アストリッド・リンドグレーン』岩波書店, 1999, p.95)。
 一九九〇年代に入って起きたスウェーデンの経済危機によって公共機関の予算が軒並み減らされる中、各地の図書館が閉鎖される事態になったとき、スウェーデンの児童文学者アストリッド・リンドグレーン(Astrid Lindgren)は即座にこうこたえたそうだ。
 いったい世界にどれほど多く、リンドグレーンの作品に勇気づけられた子どもがいることだろう。私が知っているだけでもリンドグレーンに魅せられて北欧に留学した人やスウェーデン語を勉強し初めた人、児童文学の道を志した人が何人もいる。留学はしなかったけれども私が北欧の図書館を研究し初めたのも、小さいころリンドグレーンの作品を夢中になって読んだことがきっかけだったかもしれない。
 リンドグレーンは九五年の生涯に、幼い子どもを対象とした作品からハイティーン向けの作品まで、数多くの児童文学を執筆した。リンドグレーンの作品は、馬を一匹持ち上げてしまう勇ましい女の子が主人公だったと思えば、背中にプロペラをつけて空を飛びまわるおじさんが出てきたりと驚くほど多彩である。その内容についてはとても一言では説明しきれないのだが、とびっきりのユーモアの感覚とちょっぴり辛辣なメッセージが多くの人をひきつけてきた。
 さて『ピッピの生みの親 アストリッド・リンドグレーン』には、こんなエピソードも出てくる。ストックホルムの街を歩いているリンドグレーンのところに、知らない人が近づいてきていきなり紙を突き出した。そこには「私の子ども時代に金色の夢をくれてありがとう」と書いてあったそうだ。数々の栄誉ある賞を受けてきたリンドグレーンだが、買い物メモの端切れに書かれたその言葉がどんな賞賛よりもうれしかったと語っている(三瓶恵子『ピッピの生みの親 アストリッド・リンドグレーン』岩波書店, 1999, p.102)。
 本書は世界中の人びとに本を通じて生きる喜びを与えてきた児童文学者リンドグレーンを生んだ国、スウェーデンの図書館の話である。作家が生み出した本が読者に届くまでの経路はさまざまである。書店での出合いもあるし、図書館で借りて読むこともある。友人からもらったり、最近ではインターネット経由で本を読むこともあるだろう。そんな中、スウェーデンでは本と読者を結ぶもっとも太く確実なパイプが公共図書館である。
 スウェーデンでは読者と本を結び付けるために行われるさまざまな文化活動や読書振興の中に、図書館がしっかりと位置づけられている。どのような活動が行われているのかは、本書で詳しくお話していくつもりだが、たとえば図書館では作家を呼んできて講演会やワークショップを開催することがよくある。しかも作家が訪れるのは大きな町だけではない。人口が数千人しかいないような町の図書館にまで作家は気軽に出かけていって話をしたり、読者と語り合ったりするのだ。スウェーデンでは作家は読者にとって遥か遠くにいる偉い人ではない。自分の住んでいる所に来てくれて言葉を交わすことができる、そんな存在である。
 個人のおかれている社会的・経済的状況にかかわらず、「人は誰しも本を読む権利がありそれを保証保障する場所が公共図書館である」という考え方が、一〇〇年にわたるスウェーデンの公共図書館の歴史のなかで揺らぐことはただの一度もなかった。そして現在、スウェーデンでは、図書館は地域社会においてなくてはならない施設であると同時に、誰にとっても親しみのある場所となった。
 本書を通じて読者のみなさんにスウェーデンの図書館の実際の姿をお見せしながら、図書館が本を住民に届ける上で、そして国全体の読書振興のためにいかに重要な役割を果たしているのかを考えていきたいと思う。また同時にスウェーデンの人びとの普段着の生活と、読書をめぐるさまざまなエピソードを披露していくことにしよう。みなさんもどうぞスウェーデンの公共図書館に置かれている心地よい椅子に腰かけたつもりになって、スウェーデンの図書館と本をめぐる話をゆっくり楽しんでください。

『読書を支えるスウェーデンの公共図書館』はじめにより


教員著作紹介コメント(吉田正人先生)

ブックコメントのアイコン吉田正人先生(芸術系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。
【本の情報】
『世界自然遺産と生物多様性保全』吉田正人著.地人書館 , 2012.11【分類519.8-Y86】

【コメント】
 世界遺産は、人類にとって共通の「顕著な普遍的価値」を持つ貴重な財産であり、保全・整備し、将来の世代に伝えていかなければならない。
 しかし、世界遺産がブランドとして定着した結果、世界遺産リストに記載された遺産に観光客が集中し、持続可能な発展とは言い難い状況も生まれている。にもかかわらず、世界遺産リストへの新規登録をめざして、多くの候補地がしのぎを削り、加盟国も競って新規登録をめざしているのが現状である。その結果、本来、危険にさらされた世界遺産の救済に使われるべき世界遺産基金のほとんどが新規登録案件の調査費にまわされている。今や、世界遺産条約そのものが危機に瀕している。
 本書では、特に世界自然遺産に重点をおいて、第1章で世界遺産条約、第2章で生物多様性条約がどのようにして生まれ発展してきたのかを説明し、第3章で世界遺産リスト、第4章で危機遺産リストをはじめとする様々なしくみが生物多様性保全に果たす役割を評価した。そのうえで、第5章では、採択から40周年を迎えた世界遺産条約の現代的な課題とそれに対する提言をした。
 このような条約の危機的状況を直視し、いかにして世界遺産条約を自然環境の保全と人類の平和に貢献できるものにするかを議論すべきであろう。

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目次

序章  世界遺産条約と生物多様性保全
第1章 世界遺産条約
1-1 世界遺産条約の概要
1-2 世界遺産条約の歴史
1-3 日本における世界遺産条約
1-4 世界遺産条約による自然遺産の保護と管理
第2章 生物多様性条約
2-1 生物多様性とは
2-2 生物多様性条約
2-3 生物多様性条約の成立過程
2-4 生物多様性条約と保護地域プログラム
第3章 世界遺産リストから見た生物多様性保全
3-1 自然遺産のクライテリアから見た自然遺産・複合遺産
3-2 自然遺産のタイプから見た世界の自然遺産・複合遺産
3-3 日本の自然遺産
第4章 世界遺産条約と生物多様性の保全
4-1 世界遺産リストの代表性と信頼性
4-2 セイフティーネットとしての危機遺産リスト
4-3 開発からの保護とバッファーゾーン
4-4 国境を超えた保護地域と世界自然遺産
4-5 世界遺産条約と生物多様性保全
第5章 世界遺産条約採択40周年を迎えて
5-1 世界遺産リストと国内遺産リスト
5-2 危機遺産リストと国際協力・予防措置
5-3 世界遺産をフラッグシップとした保護地域のネットワーク化
5-4 世界遺産条約に対する持続可能な資金
5-5 世界遺産条約に対する若者の参加
5-6 世界遺産条約における「普遍性」と「多様性」の矛盾
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教員著作ページに5点追加

先生方からご寄贈いただいた著作5点を「筑波大学教員著作の紹介(2012年度)」のリストに追加しました。

  • 大野正道先生(ビジネスサイエンス系)
  • 井田仁康先生(人間系)
  • 吉田正人先生(芸術系)
  • 吉田右子先生(図書館情報メディア系)
  • 堀池信夫先生(名誉教授)

掲載ページ: 筑波大学教員著作の紹介(2012年度)