教員著作紹介コメント(小林 秀之先生・米田 宏樹先生)

表紙画像特別支援教育 : 共生社会の実現に向けて(Minervaはじめて学ぶ教職:18)小林 秀之先生(人間系)・米田 宏樹先生(人間系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。

【本の情報】
『特別支援教育 : 共生社会の実現に向けて(Minervaはじめて学ぶ教職:18)』  小林秀之, 米田宏樹, 安藤隆男編著. ミネルヴァ書房 , 2018.3【分類378-Ko12】

【コメント】

タイトルにある「特別支援教育」は,障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず,障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり,我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持つものとされています。さらに,インクルーシブ教育システム構築に向けた体制の整備も進み,障害のある児童生徒の就学は,確実に小学校や中学校,高等学校等に拡大し始めています。
このような状況を受けて,教員を目指す初学者に活用され,特別な教育的ニーズのある児童生徒に対する教育の礎となることを期待して上梓しました。今後我が国で展開されていく「障害はないが特別の教育的ニーズのある幼児児童生徒」に関する事項や特別支援教育制度の中で求められている医療・労働・福祉との連携についても概説しています。初学者のみならず,特別支援教育や障害科学の基礎を改めて確認するためにも目を通して欲しいと願っています。


教員著作紹介コメント(綿抜 豊昭先生)

綿抜 豊昭先生(図書館情報メディア系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。

【本の情報】
『明治の錦絵にみる笑いと風物』  時井真紀, 原澤仁美編集/綿抜豊昭, 時井真紀執筆.筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター , 2018.2【分類721.8-To31】

【コメント】「明治の錦絵にみる笑いと風物」(於・図書館情報学図書館メディアミュージアム、2018/3/19-4/27)の展示図録で、明治150年企画です。明治の笑いは、解説をしなくてはわからないほど、遠いものとなりました。
そこで作成した図録です。展示では、図録見掲載の参考品も出品してますが、こ の図録があれば、明治の笑いの核心がわかります。ご笑覧くださいませ。


教員著作紹介コメント(野津 有司先生)

野津 有司先生(体育系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。

【本の情報】
『生徒も教師もわくわくする道徳授業 : 深い学びにつながる22の秘訣 中学校編』  押谷 由夫, 野津 有司, 賞雅 技子監修.東京書籍, 2017【分類375.353-Se19】

【コメント】中学校では平成31(2019)年度から,「特別の教科 道徳」が全面実施されます。これまでの「道徳の時間」が「特別の教科 道徳」という教科として位置づいたことは,道徳教育の大きな変革と言えます。この教科化を強みとして最大限に生かし,子供たちに道徳的実践力を育成するための授業実践が求められています。
本書は,道徳教育のよりよい実践に向けて,どう考え,どう進めていくべきかについて,教師の疑問に応え得る一冊となっています。中学校の学習指導要領に準拠し,道徳の内容22項目のすべてを網羅し,その実践例を盛り込んでいます。また巻末には,読み物教材も例示しています。
教師を目指す皆さんには,本書から,道徳教育の重要性と授業実践に向けた知識を是非とも学び取ってほしいと思います。


教員著作紹介コメント(鷲津 浩子先生)

鷲津 浩子先生(人文社会系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。

【本の情報】
『文色と理方 : 知識の枠組み』 鷲津浩子著.南雲堂, 2017.9 【分類939.02-W44】

【コメント】
「〈あいろ〉と〈りかた〉」と読みます。落語『蝦蟇の油』からガマの油売りの口上で、「遠目山越し笠のうち、物の文色と理方がわからぬ」と続きます。前半ははっきりと見えないことを示し、後半の〈文色〉は「様子、模様」、〈理方〉は「理屈、原理」という意味ですから、はっきり見えないからチンプンカンプンということですね。
とはいえ、この本は落語の解説本でも、筑波山の案内書でもありません。南北戦争前アメリカ散文についての〈文学研究〉の本です。
ああ、感想文かと思ったあなた!文学なんてくだらないと思ったあなた!この本はあなたのためにあります。
というのも、この本は時代限定地域限定の〈文学〉作品を扱うことにより、その時代のその地域のものの考え方(副題の〈知識の枠組み〉)を探ろうという試みだからです。この作業を通して、従来の〈文学〉あるいは〈文学研究〉の概念を変えようという大胆不敵な企てだからです。
文学好きなあなたには、きっと〈読む〉ことの面白さ、楽しさを伝えてくれることでしょう。


教員著作紹介コメント(山本 容子先生)

山本 容子先生(人間系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。

【本の情報】
『環境倫理を育む環境教育と授業 : ディープ・エコロジーからのアプローチ』 山本容子著.風間書房, 2017.1 【分類375-Y31】

【コメント】
本書は、欧米を中心として広まりつつある環境倫理、特にディープ・エコロジーの視点を導入した環境教育の展開と特質を解明し、その授業づくりを実践的に検討したものです。
ディープ・エコロジー思想は、環境問題の解決を人間の内面の意識変革に求めており、自然の中での「自己実現」(self-realization)を通して生命の固有の価値を見つめ直すことを試みています。この思想を導入した環境教育は、特に、アメリカ、カナダ、オーストラリアにおいて広まりを見せています。
本研究では、ディープ・エコロジー思想の中心概念「自己実現」を導入し、内面の自己変革を図ることを目的とした、高校生物における環境教育のプログラム開発を行いました。ディープ・エコロジーは日本の禅の思想の影響も受けているといわれておりますので、本研究で実践したプログラムはいわば、日本から欧米に渡った日本の思想を逆輸入し、日本の学校教育と生徒の実態を考慮して開発した環境教育であると言えます。そして、日本の高校生の環境意識がどのように変化したのか、また、このような環境教育を行う上での課題は何かを検討しています。筆者が2013年に筑波大学に提出した博士(教育学)学位請求論文に基づくものでありますので、お読みいただけましたら幸いです。