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ディジタル図書館のメタデータについて

平岡 博

 このたび本学に導入されたディジタル図書館システムの中心となるのは,メタデータの作成と提供です.インターネット上で提供されている図書館情報学および情報メディア研究に関する情報資源についての情報を組織的に調査収集し,それらのメタデータを作成・蓄積してメタデータデータベースを構築します.つまり,図書館情報学および情報メディア研究に関するゲートウェイ(Subject Gateway)の機能を果たすことになります.このゲートウェイ機能を活用することにより,自分の求める情報資源を効率的に検索することができます.
 収集する情報資源の範囲は,以下に示すような,図書館情報学および情報メディア研究に関連する分野です.
(1) 図書館情報学および情報メディア研究関係の研究者が発信している研究情報
(2) 国公私立大学図書館,国公私立図書館等が提供している情報
(3) 各種情報センター等が提供している情報
(4) 図書館情報学および情報メディア研究関連学会および団体が提供している情報
(5) 図書館情報学および情報メディア研究関連企業が提供している情報
(6) その他図書館・情報センター等に関連した情報
 作成するメタデータはDublin Coreを基本として,Dublin Coreの15エレメントに本学独自の項目を追加したもので,以下の18エレメントからなっています.
 (1)タイトル(Title)
 (2)著者あるいは作者(Creator)
 (3)主題およびキーワード(Subject)
 (4)内容記述(Description)
 (5)公開者(出版者)(Publisher)
 (6)寄与者(他の関与者)(Contributor)
 (7)日付(Date)
 (8)資源タイプ(Type)
 (9)形式(フォーマット)(Format)
 (10)資源識別子(ldentifier)
 (11)情報源(出処)(Source)
 (12)言語(Language)
 (13)関係(Relation)
 (14)対象範囲(空間的・時間的)(Coverage)
 (15)権利管理(Rights)
 (16)文字コード(Charcode)
 (17)出版国(Country)
 (18)メタデータID(metaid)
(1)から(15)までがDublin Coreで規定されているエレメントで,(16)から(17)が本学で規定したものです.また,各エレメントの値として日本語の文字列が入る場合には,そのヨミを入力できるようになっています.
 インターネット上の情報資源を探す方法として,多くのサーチエンジンが存在していますが,その多くは全文検索によっています.このため,求める情報とは何の関係もない情報が数多くヒットしてしまいます.本システムはメタデータを利用していますので,求める情報資源をより的確に探し出すことができます.利用者は,検索したメタデータを参照して,そこから情報源に直接アクセスし,求める情報に到達することができます.これによって,本学はもとより国内外の図書館情報学研究者,学生,図書員等の研究活動および図書館活動を支援することができるものと期待されます.


情報資料係長
Metadata on ULIS-DL. by Hiroshi HIRAOKA