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新図書館システムについて

図書館情報課

  本学の図書館システムは,開学当初(昭和56年)マイクロメイトによる閲覧業務処理から始まった。以後平成10年2月まで,総合情報処理センター(旧図書館情報システム開発センター)に設置された大型計算機上で,発注・受入・目録・製本・閲覧・ILL等全ての図書館業務を行ってきた。今回センターの汎用計算機システム更新にあたり,図書館システムも新システムへと更新された。
 図書館システムの仕様策定にあたり,旧システムであったBIBLIONのデータを継承すること,また旧システムの使い勝手を低下させることのないよう配慮し,さらに現在のネートワーク技術,ハードウェア技術,ソフトウェア技術で可能となったことについては積極的に取り入れるよう考慮した。入札の結果,導入された図書館システムはORACLEを使用した UNIX サーバ,VVindows95クライアントから構成されるクライアントサーバ形式分散処理システムLOOKS21/U(日立製作所)となった。
 機器の台数は,業務用についてはほぼ1人1台となった。業務用機器の用途としては,図書館業務のみならず文書作成・表計算・電子メイルソフト等を搭載し,標準的な事務処理全般をこの上で行うことを可能とした。さらに個別に必要なデータは,ORACLEより各自がSQLを利用して取り出し,その後表計算ソフト,データベースソフトを使用して利用が可能となるよう配慮した。また,今までのワープロ専用機を,各自が保管しているフロッピーで使う形 態から脱却し,ファイル共有機能を活用した業務用文書の集中管理を行いデータの共有化を進める予定である。利用者用機器としては,OPAC検索及び今回のシステム更新に伴い導入されたCD-ROM検索システムやネットワーク上の各種情報源にアクセスできるPCを計10台館内随所に設置した。利用者用のプリンタは設置しないのでOPACの検索結果は,従来通り原則としてメモ用紙等に記入していただくことになるが,必要ならフロッピーディスクへのダウンロードが可能である。

OPAC
 OPACは,telnetによるCUl版,専用アプリケーションによるGUI版およびWWWブラウザによるWWW版の3形式で提供する。このうちGUI版によるOPACは図書館内からのみ使用可能であるが,他の形式については,ネットワークに接続された機器であればどこにいても検索が可能である。また運用時間については,データ更新等の保守作業時間を除き24時間となる。検索エンジンは全文検索システムBibliotheca/TSを使用しているため,1997年2月から運用している既存のWWW版OPACと同様に任意の場所での一致検索が可能であるが,新たに「書名」「著者名一等項目を指定した検索も可能となった。また,従来不可能であった検索結果の簡略表示画面でのシリーズ名表示,詳細表示画面での取扱区分(参考図書等)表示,貸出状況表示が可能となった。さらに,自分自身の図書貸出状況や予約状況を確認出来るようになった。
その他の利用者サービス
 従来,図書館のカウンターまで足を運んで行っていた学外への文献複写申込がネットワークを介して可能となった。当面校費で支出するもののみが対象であるが,これにより研究室からも複写の依頼が可能となった。また従来より非公式な形で運用していた電子メイルを使用したレファレンスサービスを学内者に対して正式に開始した。
 3月を境にして図書館のシステムは新しい世代に入った。このシステムを使い,今まで以上により迅速で良好なサービスを提供するよう心がけていくつもりである。新たなる図書館サービスの展開について利用者の皆さんのご感想等をおよせいただければ幸いである。