6.5 電子出版の実際
凸版印刷株式会社技術企画部長
深 見 拓 史
凸版印刷(株)の企業活動を通じて、印刷産業でのデジタル化・情報化の動きをオーバービューし、 情報コミュニケーション産業への変革がどのように行われているのかを、「電子出版関連の現状と将来」という視点で捉 えることを目的とする。また、ラボの見学を通じて、新技術の動向や新たな実験的取り組みについてもフォローする。
I.電子出版の現状と動向(別紙)
1.パッケージ系電子出版の最新動向
(1)出版印刷物の電子化
各分野でのCD−ROM化、DVD化
事辞典、各種白書、パソコン雑誌付録など
(2)商業印刷物の電子化
通販カタログのCD−ROM化、DVD化
(3)マニュアル類の電子化
コンピュータ周辺機器マニュアルのCD−ROM化、DVD化
アニュアルレポートのCD−ROM化、DVD化
2.ネットワーク系電子出版の最新動向
(1)出版物のインターネット配信サービス
デジタルコンテンツ配信サービスビジネス
○凸版印刷が運営する、出版コンテンツの有料配信サービス「Bitway-Books」
○東芝とのコラボレーションによるポータルサービス「フレッシュアイ」
○日立とのコラボレーションによる画像配信サービス「イメージモールジャパン」
○オンラインマガジン「
Web現代」(講談社と)(2)商業印刷物のインターネット配信による通販ビジネスの台頭
○インターネットによる通販カタログと物流と決済サービスの代行
(3)インターネットによる各種情報サービス
○地図をベースにした各種情報サービス「マピオン(MAPION)」
○コンテンツホルダーとインターネットサービスプロバイダーを仲介する情報流通代行
サービス「
Bitway」○大学・企業・学会・地方自治体の各ホームページ情報サービスサポート
3.パッケージ系とネットワーク系の融合
(1)メディアミックス
○書籍・雑誌とCD−ROM、インターネットの組み合わせ
II.インターネット関連の最近の動向(別紙)
1.インターネット情報検索サービスの向上
○情報検索サービスの合弁会社「フレッシュアイ」の設立
○高画質画像の有料配信サービス「イメージモールジャパン」
2.インターネット・ホスティングサービス
○イメージサーバーレンタルスペースサービス
○マーケティングやEC関連などのビジネス機能を提供するサービス
3.インターネット通販の高まり
○書籍販売におけるインターネットの利用(米国での「アマゾン・ドット・コム」)
○大手書店、大手書籍流通、大手物流が展開する各種「インターネット書籍販売サービス」
○セキュリティーの確保と決済機能
○著者と読者の距離の縮まり(著者、出版社、取次店、書店、読者の関係の最適化)
III.デジタルアーカイブに関する最近の動向
1.画像デジタルデータのアーカイブ化の動き
○印刷会社自体が巨大なデータベース産業に変化しつつある
○写真・文字・レイアウト情報のみならず音声や動画などマルチメディアデータの取り扱い
○印刷物への利用はもちろんのこと、インターネットへのデータ再活用のニーズの高まり
(ワンソース・マルチユースの実現)
2.デジタル美術館・博物館
○超高精細デジタルデータのアーカイブと館内常時検索閲覧可能なシステムの開発
(国立西洋美術館などに納入)
IV.バーチュアル・リアリティ・ラボラトリーの見学(別紙)
・視聴から体験する時代へ、マルチメディアの可能性をさらに追求したバーチュアルリアリティの
V.グラフィックアーツラボ(GALA)の見学(別紙)
・デジタル技術をベースにグラフィックアート表現の可能性を実験的に切り開くラボラトリー
グラフィックアーツラボ「GALA」の見学