2.1 Web管理概説(運用編)
図書館情報大学総合情報処理センター講師
宇 陀 則 彦
1.
はじめに
現在、World Wide Web(以下Web)を利用した情報提供がほとんどの大学図書館で行われている。Webが情報発信のための便利な道具であることはもはや疑いようのない事実として定着したように見える。しかしながら、Webが便利な道具であることは認めても、実際に情報発信しようとなるとなかなか実行に移せない組織が多い。そこで本講義では、どの組織でも直面したであろう、あるいは直面するであろう問題を、本学総合情報処理センターでの経験を踏まえながら述べてみたい。
2.
図書館情報大学Webサーバ構築の歴史
1993:当時学部3年の学生がWebサーバを立ち上げる(日本で10番目ぐらい)。
1994:ディジタル図書館ネットワークのサーバが立ち上がる。
1995:総合情報処理センターで 個人ページサービス開始。
1996:図書館情報大学公式ホームーページ立ち上がる。
1998:新システム(現行システム)の運用が開始される。
3.
組織のWeb管理
2000年6月現在、庶務課企画広報係、学務課入試記録係、図書館情報課、総合情報処理センターの各部局がWebを使って情報提供を行っている。これら管理主体の異なるページを組織として運用するためには役割分担を明確化するともに、各部局の調整を行い、組織としての最終責任を負う者(組織)が必要である。
4.
部局のWeb管理
総合情報処理センターのページは毎週金曜日に更新するニュース、各システムのマニュアル、利用統計、実習室予約状況などから構成される。部局のWeb管理で大切なのは、手続きの明確化と記録、および複数人による内容チェックである。
5.
セキュリティとプライバシー
セキュリティをがちがちに固めれば安全になるが、使い勝手は悪くなる。また、プライバシーに過敏になれば、情報公開はできなくなる。どうバランスをとるのかが鍵である。
6.
おわりに
Web運用においては微妙な問題が多々存在する。最も簡単な解決法はWebの管理をやめてしまうことであるが、これは最も稚拙な解決法である。与えられた条件の下で最適解を求めていく姿勢がなにより大切である。