7.8 電子出版関連の現状と将来

1999.7.21.

凸版印刷株式会社

 凸版印刷(株)での事業活動を通じて、印刷産業でのデジタル化・情報化の動きをオーバービューする。情報コミュニケーション産業への変革がどのように行われているのかを、「電子出版関連の現状と将来」という視点で捉えることを目的とする。また、ラボの見学を通じて、新技術の動向や新たな実験的取り組みについてもフォローする。

I.電子出版の現状と動向(別紙)

 1.パッケージ系電子出版の最新動向

 (1)出版物の電子化

    各分野でのCD−ROM化、DVD化

    事典、辞典、各種白書、パソコン雑誌付録など

 (2)商業印刷物の電子化

    通販カタログのCD−ROM化、DVD化

 (3)マニュアル類の電子化

    コンピュータ周辺機器マニュアルのCD_ROM化、DVD化

    アニュアルレポートのCD−ROM化、DVD化

 2.ネットワーク系電子出版の最新動向

 (1)出版物のネットワーク・インターネット配信サービス

    デジタルコンテンツ配信サービスビジネス

    ○凸版印刷が運営する、出版コンテンツの有料配信実験モール「コンテンツパラダイス」

    ○出版社とコンピュータメーカとのコラボレーションによる情報配信サービス

    ○オンラインマガジン「Web現代」創刊(講談社と)

 (2)商業印刷物のインターネット配信による通販ビジネスの台頭

    ○インターネットによる通販カタログと物流と決済サービスの代行

 (3)インターネットによる各種情報サービス

    ○日本で最初の企業集合型モール「サイバーパブリッシングジャパン(CPJ)」の立上げ

    ○インターネットでの販売と安全な決済機能の提供「トッパンセキュアーモール」

    ○地図をベースにした各種情報サービス「マピオン(MAPION)」

    ○大学・企業・学会・地方自治体の各ホームページ情報サービスサポート

 3.パッケージ系とネットワーク系の融合

 (1)メディアミックス

    ○書籍・雑誌とCD−ROMの組み合わせ

 

 

II.インターネット関連の最近の動向(別紙)

 1.インターネット情報検索サービスの向上

    ○情報検索サービスの合弁会社「フレッシュアイ」の設立

    ○高画質画像の有料配信サービス「イメージモールジャパン」

 2.インターネット・ホスティングサービス

    ○イメージサーバーレンタルスペースサービス

    ○マーケティングやEC関連などのビジネス機能を提供するサービス「ウェブテーラー」

 3.インターネット通販の高まり

    ○書籍販売におけるインターネットの利用(米国での「アマゾン・ドット・コム」)

    ○物流機能との連動

    ○セキュリティーの確保と決済機能

    ○著者と読者の距離の縮まり(著者、出版社、取次店、書店、読者の関係の最適化)

 

 

III.デジタルアーカイブに関する最近の動向

 1.各種印刷物のデジタルデータのデータベース化の動き

    ○印刷会社自体が巨大なデータベース産業に変化しつつある

    ○写真・文字・レイアウト情報のみならず音声や動画などマルチメディアデータの取り扱い

    ○印刷物への利用はもちろんのこと、インターネットへのデータ再活用のニーズの高まり

     (ワンソース・マルチユースの実現)

 2.デジタル美術館・博物館

    ○超高精細によるデジタルデータのアーカイブと館内常時検索閲覧可能なシステムの開発

     (国立西洋美術館などに納入)

 

 

IV.バーチュアル・リアリティ・ラボラトリーの見学(別紙)

 ・聴視から体験する時代へ、マルチメディアの可能性をさらに追求したバーチュアルリアリティの 最先端ラボラトリー

 

 

V.グラフィックアーツラボ(GALA)の見学(別紙)

 ・デジタル技術をベースにグラフィックアート表現の可能性を実験的に切り開くラボラトリー