３．３　電子ジャーナルの動向

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　坂　　上　　光　　明

（横浜国立大学附属図書館事務部長）

１　電子ジャーナルの現状

・ 増加の状況

・ 誕生の背景

２　電子ジャーナルの定義

「インターネットまたはイントラネット上で学術雑誌の本文（図表等を含む）が電子的に提供され、パソコン等から利用できるもの」

・ オンライン・ジャーナル

・ ネットワーク・ジャーナル

３　電子ジャーナルの特徴

・ 速報性、確実性（未着、欠号等の解消）

・ 多様な検索機能

　　全文検索機能等

・ 関連情報へのリンク機能

　　参考文献→２次情報データベース→抄録→本文

・ マルチメディア情報（画像、音声等）も提供可能

４　電子ジャーナルの構成要素とデータ形式

・ 提供されるデータの構成要素

　　目次、書誌データ、抄録、本文、図表

・ データ形式

　　ＨＴＭＬ、ＰＤＦ、PostScript など

・ 閲覧ソフト

　　Acrobat Readerなど

５　電子ジャーナルの種類と形態

　１）発行者、提供者から見た種類

　・商業出版社（ Academic Press, Elsevier, Springer, Wiley など）

　・学協会（ American Chemical Society, Institute of Physics など）

　・電子ジャーナル専門出版社（ Hiwire Press など）

　・アグリゲータ（Aggregator）

　　・データベース・ベンダー（ OCLC, Silverplatter, OVID など）

　　・雑誌エージェント（ Swets, EBSCO, UMI など）

２） 冊子体ジャーナルとの関係から見た種類

　　　・冊子体ジャーナルとの並行出版

　・単独の電子ジャーナル

３） アクセス方式から見た種類

・ リモートサイトのサーバにアクセスする方式

・ ローカルサイトのサーバにデータをロードして利用する方式

６　電子ジャーナル導入の意義

１） 利用者から見た意義

・ 情報の迅速・確実な入手

　　冊子体と電子ジャーナルの発行時期

・ 利用上の制約の解消

　　時間的制約、空間的制約、貸出中、製本中などの制約

・ 研究室の書架スペースの節約

２） 図書館から見た意義

・ 電子図書館サービスの充実

・ チェックイン、欠号督促等が不要

・ 書架スペース、製本費の節約

３） 出版社から見た意義

・ 編集・出版過程の迅速化

・ 出版、通信、輸送経費等の節減

・ 冊子体の購読中止への対応

７　電子ジャーナルの導入・利用上の問題点

１） 料金体系と契約上の問題点

・ 電子ジャーナルの料金体系

・冊子体との包括料金体系

　・電子ジャーナルの独立料金体系

　・論文単位のアクセス料金

・ 契約上の問題点

・サイトライセンス契約という考え方

　・現行の会計制度から見た問題点

２） 利用者の認証とアクセス制限の方法

・ ユーザＩＤ/パスワード方式

・ ＩＰアドレス方式

・ リモートアクセスの可否

　　公式サイト以外（研究者の自宅など）からのアクセス

３） アーカイバル・アクセスの問題

・ 契約中止後の遡及的アクセスの保証

４） ＩＬＬサービスとの関係

５） 予算措置

　・学内での共同利用に伴う予算措置の問題

６） 利用環境の整備

・ リンクページの作成、広報活動

・ 他の図書館サービスとの統合化

　　ＯＰＡＣ、２次情報データベースとの統合サービス

・ アクセス情報、ログ情報の管理

・ ネットワーク環境の整備

７） 電子ジャーナルの利用と図書館コンソーシアム

・ 海外の動向

　　ＩＣＯＬＣの活動など

・ 我が国の動向

　　国立大学図書館協議会図書館電子化特別委員会の活動など

参考文献