6.2  インターネットを使った情報発信

                         図書館情報大学助手 歳森 敦


[概要] 実際にHTML文書を作成することでインターネットを使った情報発信のための技術を習得する.初心者向けと中級者向けの二種類の教材を当日配布する.

演習の内容
 インターネットを使った情報発信の技術はWWWだけではない.しかし現状ではWWWを使う方法が最も現実的な答えである.インターネットを使った広報あるいは情報公開が既に特別なものではなくなった現在,HTML文書を作成・メンテナンスする技術が常識として必要となってくる.
 単にHTML文書を作成するという点だけから考えると,ワードプロセッサと同様の操作性でHTML文書を作成する専用のソフトウェアを使ったり,HTML文書に変換する機能を持つワードプロセッサを使ったりすることで,ワードプロセッサを使う技術を持つ人なら誰でも簡単にHTML文書を作成することができる.初心者向けの演習は,これまでHTML文書を作成したことがない人を対象に,GUIベースのHTML文書作成ソフト (Netscape Navigator Gold) を使用して自己紹介のHTML文書を作成することを内容とする.
 インターネットを使った情報発信の手段としてHTML文書を作成する場合には,インターネットの性質上「不特定多数の人に読ませること」が目的となるので,どのような機器やブラウザで読んでも情報が支障無く伝達されるよう配慮することが重要になる.具体的には,
 HTMLのエレメントの互換性(規格外のHTMLエレメント)
 画面の大きさ(誰もが大画面で読むわけではない)
 色(相手により思わぬ逆効果)
 画像の使用(文字だけのブラウザ,視覚障害者への配慮)
 データファイルのフォーマット(追加のソフトウェアが必要)
などに留意する必要がある.また,情報の発信にあたっては,その情報がどれだけ利用されたかを把握して分析する必要も生じる.WWWによる情報提供にあたってはアクセスログ(接続利用記録)を採取することが一般的であり,アクセスログからは公開した情報がどのように利用されているかを集計することができる.中級者向けの演習は,作成したHTML文書の「正しさ」を文法チェッカーを用いて検証すること,アクセスログの分析などを内容とする.