1.7  日本の研究者と大学図書館

                      京都大学助教授  カール・ベッカー


(先ず大学図書館の皆様方に深謝を申し述べたい:図書館は研究の命)

 利用者(User)とのインターフェース

 1) 利用者(User)オリエンテーション
  A) 新教授用
  B) 学術論文用(修論、卒論等)
  C) 新入生用
  D) 図書館で
  E) 授業の中で(協力的教員を求む)

 2) 利用者(User)の為の施設(場合によって有料)
  A) コインからカードヘ  (カード制度コピー機室)
  B) 分散から共同へ    (共同利用プリンター・ソフト)
  C) 紙資料から電子化へ  (FAX、モデム、BITNET 等のアクセス)
  D) 紙資料からフロッピーへ(OTR、検索保存)
  E) 保管から社会貢献へ  (電話・電子メールで情報依頼、質疑応答)

 図書館の管理と合理化
 1) 資料の中央化
  A) 各研究室から図書館へ
  B) 各分館から中央図書館ヘ
  C) ビデオ・AV・CD等も図書館へ

 2) 電子カタログ・検索の統一、一貫化
  A) 図書館の全資料に(一番利用が多い物から)
  B) 分類検索(Subject Search)が出来る様に、キーワードを
  C) 電話(モデム)で利用出来る様に
  D) 他図書館間の共通検索方法
     (フロントエンド・インターフェース)

 コンピュータ化

 1)データ・アクセス
  A) 電子カタログ・検索
  B) CD−ROMのデータ・べ一ス・サービス
  C) DIALOG、UTOPIA、等のデータ・べ一ス・サービス

 2)CD−ROM(今世紀迄)

  向き :一回に買い上げられる物(辞典、六法、記録等)
      多数の索引類を一つに纏められる場合(SSCI,A&HCI等)
      たまたまCD−ROMの方が安上がりの場合
      利用者は度々コピーする物

  不向き:利用者が極端に少ない場合(経費が合わない)
      利用者が極端に多い場合(待つ列が出来るか予約制度を導入)
      絶えずアップデートしなければいけない物(データサービス
      なら、手数料がもらえるのに、CD−ROMではもらえない)

 目指す条件
  A) 常時・同時 複数利用者可
  B) 同時 複数データ・べ一ス利用可
  C) 最低Abstract、出来る限りFu11-Text可
  D) 利用者の直接フロッピー保存可 − 紙(代)を利用者負担
  E) 電話(モデム)で利用出来る方式

 経費の間題

 1)経費を増大して頂く為に:
  新しいサービスを始めるには
  A) 政府(文部省)への説得
  B) 大学への説得
  C) 企業への説得

 2)経費を減少する為に:
  A) 利用者(User)にコピー代、電話代、サーチ代等を出してもらう
      (図書館カード制度をお進め)
  B) 利用者(User)に紙、フロッピー、テープ等を持ってもらう
  C) 利用者(User)に、(上2)のサービスの手数料を出してもらう
  D) 返し遅れた資料に対して、罰金を設ける
  E) 単純作業を大学生のアルバイトに任せる
  F) 利用記録によって利用されない分野の減少・処分
  G) 地域毎の図書館コンソーシウム(協力連盟)によって、
     定期刊行物や利用の少ない本を初め、同じ地域で同じ
     物を二重に買わないで、情報交換で多くの用が済む。
  H) 皆様の経験から、他に経費改善のポイントは無いか