『教職エンパワーメント』
浜田博文 著
東洋館出版社, 2025【分類 374-H22】
【コメント】
現在の日本では、教師個人はもちろんのこと、教職という職業自体がディスエンパワーメント(disempowerment)―自信や自己効力感の剥奪―の状態に陥っていると言わざるをえません。本書の原稿執筆を進める過程で、自分が過去に実施した国内外での調査を紐解き、この30年くらいの間の諸政策を振り返りながら、そのことをあらためて実感することになりました。この残念な状態から脱却するためには、個々の教師というレベルではなく、教職という職業を様々な側面からエンパワーすることが、いちばん重要な課題だと考えるようになりました。
教職エンパワーメントのためには、制度改革や行政施策が必要です。同時に、学校で教育にあたっている学校管理職や教師にも重要なことがあります。それは、「組織」という視点で学校の現実を的確に捉えることです。残念ながら、そのための基礎知識や視点等を習得する機会は十分ではありません。
本書は、著者が過去40年くらいの間に取り組んできた様々な研究の成果・データをあらためて紐解くとともに、教職と学校経営をめぐる最近の政策動向を捉えながら、学校現場の当事者の方やこれから教師になろうとする方々に向けてわかりやすく執筆しました。学校や教職に関心があるすべての方々に、是非ともよんでいただきたいと思います。