教員著作紹介コメント(菅原大地先生)

プロセス・ベースド・セラピーをまなぶ:「心の変化のプロセス」をターゲットとした統合的ビジョン

ステファン・G・ホフマン, スティーブン・C・ヘイズ, デイビッド・N・ロールシャイト著/監訳: 菅原大地, 樫原潤, 伊藤正哉

金剛出版, 2023.10【分類 146.8-H81】

【コメント】

本書は,社交不安症と認知行動療法やその作用機序に関して世界的に著名なステファン・ホフマン先生と,アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の創始者であるスティーブン・ヘイズ先生が開発した『プロセス・ベースド・セラピー』の解説書になります。心理療法(あるいは人のケアをめぐって)に関しては国内外問わず,無用な対立が起きていました。本書には,そのような対立に加担するような「新しい治療法」ではなく,クライエントの個別性を重視しながら,エビデンスに基づいた治療法(心理療法)を提供するための「新しい考え方」,すなわち統合的なビジョンが示されています。これまでの心理療法や精神疾患(障害)の歴史,認知行動療法を中心とした技法やプロセス変数,ネットワーク分析や進化科学など,心理学に興味をもっている人だけでなく,将来,人のケアに携わりたい人,心理学と諸科学の文理融合研究(実践)を考えている学生に必読の書籍になっています。ただ,監訳者の私も,まだこの『プロセス・ベースド・セラピー』はまなんだばかりであり,世界的にもこれから発展していくセラピーです。みなさん,一緒にまなんでいきましょう。

原著者からのメッセージ

ホフマン先生からのメッセージ
https://vimeo.com/875438344/dbd5d4c901?share=copy
ヘイズ先生からのメッセージ
https://vimeo.com/875438367/677d0cc347?share=copy

(人間系 菅原 大地)