教員著作紹介コメント(涌水 理恵先生)

【本の情報】

『ナースが知っておきたい小児科でよくみる症状・疾患ハンドブック第2版』書影

ナースが知っておきたい小児科でよくみる症状・疾患ハンドブック 第2版

横田俊一郎, 山本淳, 涌水理恵編著

東京 : 照林社 , 2022.4【分類 492.925-Y78】

【コメント】

2016年6月に初版が出版され5年が経過しました。第2版は、新たに項目を見直しながら内容の充実を図りました。写真についても、できるだけ見やすく学習するポイントに焦点を当てたものとしました。 第2版の構成は、<イントロダクション><Part1 乳幼児健診と予防接種><Part2 症状からみる小児の疾患><Part3 分野別にみる小児の疾患><小児科でおさえておきたいキーワード>となっており、Part1では「よくある家族の心配事」Part2では「各疾患の一般的なホームケア」「不定愁訴の鑑別診断とケア」Part3では「外来の感染予防対策」「事故への対応」「免疫療法」「地域連携」などの内容を加えています。

小児科でみる子どもの疾患は様々で、外科内科を問わず、守備範囲が広大です。また0歳から18歳まで、発達段階も表現力も理解力も様々な子どもの症状を、小児科の看護師が短時間で、親や家族にも協力を得ながら、正確にアセスメントすることが、彼らの苦痛を緩和し個別性の高いケアを提供することにもつながります。目の前にいる子どもの症状を的確にアセスメントするために、小児科の看護師は高いコミュニケーション能力のみならず、〈症状からどんな疾患像をイメージすればいいのか〉、〈症状への具体的処置〉、〈疾患への長期フォロー〉等々を知識として持ち合わせていることも求められます。

本書は、看護学生のかたはもちろん、小児科に配属された看護師のかたや小児科で勤務をしてみたい看護師のかたなど、“小児科での看護”に興味をもつできるだけ多くの方々に手に取っていただければと願います。本書を手に1人1人の小児科看護師が小児科全体を見渡して安心して仕事ができるように、また、日々の業務で遭遇した症状や疾患への自分の知識を本書で再確認してさらなる自信を有し邁進するために、ぜひ本書をご活用いただければと願ってやみません。

 

(涌水理恵)