【本の情報】
『情報可視化入門 : 人の視覚とデータの表現手法 』
三末和男著
東京 : 森北出版, 2021.5【分類 007.6-Mi55】
【コメント】
「情報可視化入門」は、筑波大学情報学群で3年生向けに開講している「情報可視化」という授業の内容をまとめたものです。
データをチャートなどの視覚的表現で表すことは、データの活用を支える重要な技術の一つです。
本書では、効果的な視覚的表現を構成するために必要となる、人間の視覚の性質、データの特徴、視覚的表現の性質、および
それらの関係について、体系的な知識が得られるように整理しました。情報可視化やデータ可視化については、すでにいくつ
かの本がありますが、この本は、可視化対象をデータ構造の観点から比較的広くカバーしています。
完全とは言いませんが、多変量データ、集合、ネットワーク、階層データ、地理データ、時刻データ、動的データについて、
それぞれ視覚的表現の例を紹介しています。そして、データと視覚的表現を明確に関係付けるために、視覚的表現を描くため
の規則「表現規則」を明示することにし、紹介している視覚的表現、ほぼすべてについて表現規則を示しています。
さらには、これまでの授業と研究指導を通して蓄積した、可視化に関する落し穴のようなものについても、各所に散りばめて
います。ただし、本書にはプログラミングやツールの使い方の話はでてきません。