平山朝治先生(人文社会系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。(2015/12/11)
【本の情報】
『憲法70年の真実(平山朝治著作集:第6巻)』平山朝治著. 中央経済社, 215.12【分類308-H69-6】
【コメント】
憲法の解釈や改正をめぐる無益な論争を避け、国民的合意を形成するために、憲法の成立や解釈の歴史をひもとき、国民が共有すべき真実を明らかにする。
<目次>
イントロダクション
1章 憲法解釈と安保法
1 安保法案 こう考える
2 歴史から忘れられた憲法第九条成立の趣旨
3 安保法成立に際して
2章 集団的自衛権を巡る憲法論争の再検討
はじめに:しろうとには理解困難で、国際法とは異なる、日本政府の集団的自衛権
1 「憲法に軍規定がないので違憲」論は不成立
2 一九五四年下田武三外務省条約局長の集団的自衛権行使不可能論は、禁止ではなく事実判断
3 一九六〇年岸信介内閣:根拠を示さぬ海外派兵違憲論で安保ただ乗り
4 「戦力」の定義から集団的自衛権違憲判断を導いた1972年参議院決算委員会提出資料
5 コスト最小化の必要条件として集団的自衛権違憲を正当化した1981年衆議院答弁書
6 二〇〇四年衆議院予算委員会:七二年・八一年政府見解を誤解した秋山收内閣法制局長官答弁
7 世の中を覆い尽くすマスコミの誤報
8 二〇一四年七月一日の閣議決定は七二年と八一年の政府見解の確認にすぎない
9 違憲の疑いがある立法は避けるべきか?
おわりに:自衛権は自然消滅すべきもの
3章 日本国憲法の平和主義と、安全保障戦略
はじめに
1 憲法第九条の立法趣旨とその封印
(1)マッカーサーの真意
(2)曲解された吉田茂答弁
(3)芦田均修正の真相
(4)芦田のタン学説剽窃疑惑
(5)宮沢俊義のプログラム規定説提唱と、高柳賢三の剽窃疑惑
(6)高柳の死と宮沢の再提唱
2 戦後日本における非武装戦略のゲーム理論的分析
(1)集団安全保障の効果
(2)冷戦・序:山川均の日本真空化論
(3)冷戦・破:割れる国論
(4)冷戦・急:集団的自衛権違憲論で安保ただ乗り
(5)冷戦・後:非武装平和主義の共産化と劣化
3 結論
追記
あとがき