宇野弘蔵氏プロフィール

 日本を代表するマルクス経済学者。1897(明治30)年に岡山県倉敷市に生まれ、 第六高等学校を経て東京帝国大学を卒業、大原社会問題研究所に入る。 その後、ドイツへ留学し、帰国後は東北帝国大学助教授。 法学部経済学第三講座(経済政策論)担当。 1938(昭和13)年、いわゆる労農派教授グループ事件に連座して検挙されるが、 無罪となる。以後、日本貿易研究所、三菱経済研究所を経て、 1947(昭和22)年、東京大学社会科学研究所教授に就任。 1958(昭和33)年定年退職後は法政大学社会学部教授。 1977(昭和52)年、肺炎のため藤沢市鵠沼の自宅で死去。享年79歳。
 宇野の学説の最大の特徴は、経済学の研究を、「原理論」、「段階論」、 「現状分析」という三つの段階に分化した点にある。 宇野は、「原理論」を基準として、 「段階論」を媒介とすることではじめて科学的な「現状分析」 が可能になると主張した。
 彼の学説は、日本の経済学界に大きな影響を与え、 宇野学派という一つの学派を形成した。
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