教育錦絵泰西偉人伝

カーライル(Carlyle, Thomas, 1795-1881)
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 加来爾(かあらいる)は写字机(つくえ)の上にある蝋燭を
 小犬に倒(たほ)され多年勉強して測量
 せし稿紙を一朝灰燼となしたり
 是に由て大にその体気(からだのき)を傷り解悟(げしさとり)の
 力も衰減せりと云ふ又其著はせる一冊の
 写本を客堂(ざしき)の地板に置しを下婢誤て
 廃紙と思ひ火中に投しける加来爾(かあらいる)
 痛惜すれども為へきやうなく再び
 筆を把り記臆中より捜り出し
 草稿を属したり
 此書を編著せしは得意の
 事なりしが再次の属草(したがきをせる)は
 其労苦惨痛大かたならず然れとも
 遂に堅定の志に由て成就したりけり


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