4 日本近世の写本と版本と高札


[4-01] 一札 天明六丙午年(1786)二月十五日. 差出 諏訪領蔦木町名主四郎次・要右衛門. 宛先甲州御料上圓井村名主清右衛門.  1枚. [図書館所蔵]


 文書の形態は、写本、切紙。村方行政文書の1種で、「宗門送手形」と言われるものである。 すなわち、江戸時代には切支丹禁制が厳しく行われており、人々は寺請制度によって、何れ かの寺の檀家にならなければならず、宗門人別改帳にその旨を記載し、支配の役所に提出す る制度がとられていたが、縁組や奉公で他村へ転出する場合には、その手続きが必要であった。 宗門送手形は転出する村役人から転入先の村役人に、その旨を伝達する時に用いられた文書である。

[4-02] 徳川家綱黒印状 五月三日. 松平主殿頭宛. 1枚.[研イ91-4]



 文書の形態は、写本、折紙、黒印状。毎年、端午の節句に、各大名から将軍へ所定の贈答 (帷子単物)が行われる慣例があったが、その贈答を受領した時に発せられる文書である。

[4-03] 辰之年免定 正徳二辰年(1712)十一月. 甲州巨摩郡岩下村. 1枚. [図書館所蔵]



 文書の形態は、写本、続(継)紙。江戸時代には、村請制度により年貢は、各支配の役所 (代官所)から各村宛に課税された。この課税通知書は、免定(めんじょう)と か年貢割付状 (ねんぐわっぷじょう)と称され、その年の収穫が終わった時期に、毎年、各村へ発送された。 各村では、これを受けて、その年の年貢を納めることになる。