6.8 生涯学習の動向

東京家政大学教授

伊 藤 俊 夫

I 生涯学習理念の登場

  1 キーワード → “社会の急激な変化”

    例 → 都市化,高齢化(人口構成の変化),工業化(含・技術革新),国際化,情報化,

        高学歴化,消費社会化

  2 成人教育推進国際委員会

    (注) 昭和4012月・パリにて開催

II 生涯学習の二つの流れ

  1 教育の改革原理としての生涯学習

    (1) 教育体系の改革

     (注) 学校中心社会から生涯学習体系へ

    (2) 学歴弊害解消政策

      i 教育の分散化の原理

      ii 教育の分権化の原理

       (注)1 生涯学習活動における学習概念の拡張

       (注)2 生涯学習活動の形状的な特徴

           自らの意思で,自分に適した学習の手段や方法を自ら選び,生涯にわた

           って学ぶもので,求めればその成果が適切に評価され,評価の結果が社

           会的に価値を持つ営み。

    (3) 主として小・中・高校における学校改革

      i 水平的統合理念による改革

      ii 垂直的統合理念による改革

      iii 内容的統合理念による改革

      (注) lifelong integrated education   統合理念 → 水平的・垂直的・内容的

  2 学習の支援原理としての生涯学習

    (1) 学習需要をもたらした社会的背景

      i 社会の変化への適応と駆動の必要

      ii 技術革新と生産性の向上

      iii 時間的・経済的な余裕

      iv 勉強好きな国民性

      v 変化がもたらした社会の歪み

    (2) 生涯学習活動の主な学習領域

      i 社会の変化への適応としての生涯学習 (含・職業教育)

      ii 生きがい追求としての生涯学習

        ∬ 「自分さがしの生涯学習」

        ∬ 「仲間さがしの生涯学習」

      iii 社会形成活動としての生涯学習

       (注) 例・ボランティア活動,まちづくり活動,社会貢献活動,NPO

III 大学と生涯学習

  1 生涯学習体系への大学の位置付け

  2 開かれた大学

    (1) 施設開放

    (2) 機能開放

    (3) 情報公開

    (4) 教育・研究活動の開放

    (5) 大学運営の開放

  3 大学の社会貢献活動

    (1) 大学図書館におけるボランティア活動の意味

    (2) 大学のリーダーシップ

      参考  困った大人たち(中央教育審議会答申・平成109月)

      イ 社会全体や他人のことを考えずに,専ら個人の利害得失を優先すること

      ロ 他者への責任転嫁など,責任感が欠如していること

      ハ モノ・カネ等の物質的な価値や快楽を優先すること

      ニ 夢や目標の実現に向けた努力,特に社会をよりよくしていこうとする真摯な努

        力を軽視すること

      ホ ゆとりの大切さを忘れ,専ら利便性や効率性を重視すること

参考図書

☆ 伊藤俊夫編 「生涯学習の支援」           実務教育出版

☆ 山本恒夫編 「生涯学習概論」            東京書籍

☆ 伊藤俊夫編 「社会教育委員のための生涯学習」    全日本社会教育連合会

☆ 図書館ボランティア研究会編 「図書館ボランティア」 丸善

☆ 伊藤俊夫編 「学社融合」              全日本社会教育連合会