丸善(株)学術情報ナビゲーション事業部
ナビ&リンク 企画管理グループ長
松 田 和 之
一方、機械化から電子化、そして電子図書館へと進化する大学図書館においても、情報提供サービスの充実という使命のもと、電子出版物の収集と利用の促進が図られている。パッケージ系電子出版物といえども、その利用形態としてはイントラネットやLAN等のネットワーク経由であることを前提とした場合も多い。
客観的に現在の生活を鑑みると、依然「紙を基盤とする情報社会」である感は否めないが、電子出版とネットワークの融合によりもたらされた「情報の生産流通過程の変革」は、従来著者と読者の間に位置した出版社、取次店、書店、図書館に対してもその機能やサービス形態の変革を余儀なくさせている。電子出版を核としたネットワーク提携の可能性を見越した出版社の合併や異業種の参入、購読料等支払に関した電子商取引の増大、図書館における既存メディア資料のデジタル化や電子出版物の貸出返却、電子ジャーナルに代表されるインターネット経由による一次情報の購読、さらには全てに関わる権利問題など、デジタル化された真の高度情報社会に向けて、情報サービス関連市場では新たな挑戦が始まっている。
このような状況の中で、特に学術情報の生産流通過程や利用形態が今後どのように発展していくのか、財政的課題、制度的課題、技術的課題から今後の電子出版の動向について考察する。
2-2マルチメディア
2-3 Digital Homeless & Digital Divide
3-1出版過程
3-2アナログからデジタルへ
3-3ネットワーク系とパッケージ系
4.情報と通信の基盤整備
4-1グローバル・コンピューティング・ネットワーク
4-2電子出版とネットワークの融合
4-3電子図書館 (保存からアクセスへ)
4-4コンソーシアムの形成
5.電子出版物の基本的な特徴
6.国内電子出版の動向
6-1電子ブック
6-2 PDF出版
6-3 WWWの開設
7.海外電子出版の動向
7-1 Open eBook
7-2学協会、大学出版局、商業出版社
8.学術系出版社の出版事情
8-1 CAPとY2Kへの対応
8-2アグリゲータへの対応
8-3既存タイトルの電子版と新規出版
8-4 Copyright in an Electronic World
8-5価格政策(値上がりの要因)
9.学術情報の流通の変化と大学図書館
9-1コレクションの見直し
9-2 DDSと電子ジャーナルの活用
9-3現状組織(予算)の組み直し
9-4組織内外の専門家や業者とのアライアンス強化(アウトソーシング)
10.電子ジャーナルサービスの現状
10-1提供形態
10-2価格と利用形態
11.既存資料のデジタル化
11-1メディア変換
11-2保存と活用
11-3作業工程
11-4費用対効果
12.電子出版物活用への社会的合意の必要性
12-1権利の尊重
12-2有償提供への社会的合意 _ 無償提供
参考資料 [ 1] http://www.ndl.go.jp/ndl_frm_7.html