1.3 大学図書館の運営

大学変革期の図書館運営

                          慶応義塾大学 文学部

                             高山 正也

1. はじめに

 1.1 大学変革期における大学図書館

   ・ 大学の情報環境のセンターとしての図書館     

   ・ 情報リテラシーの教育センターとしての図書館

 1.2 大学図書館運営の分析視点

   ・ 経営の一般原則

   ・ 経営の要素;職員、情報資源、財源(ひと、もの、かね)

   ・ マネジメント・サイクル;計画ー実行ー評価  

   ・ 非営利学術機関としての大学図書館の経営の特性

   ・ 使命の重視

   ・ 計数評価における仮想評価法(contingent valuation method)の導入

2. 情報技術の進展と図書館の変化

 2.1 図書館理念の変容

   ・ 紙媒体図書館

   ・ 機械化図書館

   ・ 電子図書館

 2.2 情報化による図書館サービスの変容

   ・ 装置の必要性

   ・ 速報性

   ・ 遠隔利用

   ・ 同時複数利用

   ・ 改訂可能性・編集容易性

 2.3 アクセス概念の拡大とサービスの多様化

   ・ 書誌的アクセス

   ・ 物的アクセス

   ・ 言語的アクセス

   ・ 概念的アクセス

3. 職員の問題;専門的能力の開発

 3.1 習得すべき知識

   ・ 情報の組織化と検索

   ・ 情報社会学

   ・ 情報学

   ・ 情報管理システム

 3.2 養成すべき能力

   ・ 情報システムの設計と管理

   ・ 情報資源の管理

   ・ 情報教育

   ・ 情報技術の評価、導入、維持、及びネットワーク

   ・ 情報サービス機関職員としての情報問題に関する知識と技能

   ・ 情報分析力

   ・ 情報利用者と情報システム技術者との仲介能力

   ・ 情報サービス、及び情報商品の設計と生産能力

   ・ 組織(国を含む)の情報政策の分析・立案能力

   ・ 一般教育への情報技術の適用

   ・ 記録管理と文書管理

 3.3 期待される能力

  ・ 情報専門職としての職能

  ・ 情報専門職の資質

4. 情報資源の多様化とそれへの対応

 4.1 電子出版の普及とそれへの対応

 4.2 蔵書概念の再構築

5. 図書館の財務

 5.1 図書館のコスト問題

 5.2 図書館の資産評価

6. 図書館のマネジメント・サイクル

 6.1 計画、実行、評価

 6.2 計画とマーケティング

 6.3 業務とサービスの評価

 6.4 経営管理権

7. 図書館業務の基本原則 by Donald Urquhart

 

8. その他(要すれば)

以上

図書館業務の基本原則

by Donald Urquhart

・ 図書館は利用者のためのものである。

・ 図書館は利用者の要求に応えていなくても、それは明らかにならない。

・ 供給は需要を創る

・ 利用者が必要とする文献が選べるように「ガイド」を用意しなければならない。

・ 図書館は利用者が欲する文献を利用できるようにしておかなければならない。

・ 図書館はそのサービスの代償を受けるべきである。

・ 図書館は、一館でもグループとしても、費用対効果について関心を払わなければならない。

・ 情報は原則として貨幣額では価値付けできないものである。

・ 図書館は収穫逓減の法則に関心を払わなければならない。

・ 完全を求めて時機を失してはならない。

・ 図書館の活動コストは活動の規模が大きくなるにつれて低減すべきである。

・ どんな図書館も孤立してはやってゆけない。

・ 図書館の経営計画は利用者の要求について客観的なデータに基づくべきである。

・ 新技術や新システムを利用するに際して、過去を振り返るのではなく、将来を見つめることが必要である。

・ 図書館の職員はチームの一員として働くべきである。

・ 図書館職は学者・研究者のための閑職ではない。図書館の仕事は多くの研究者・学者の研究を促進し、助けるものである。

・ 図書館は社会にとって価値あるものであり得る。

・ 図書館(学)は経験科学である。