3.2  図書館資料の計画的・重点的収集

                 慶應義塾大学教授
                 慶應義塾大学アート・センター所長 鷲見 洋一


機Х椿羌曾梁膤愬酳誌資料コレクションについて

1) 荒俣宏コレクションの移管と博物誌資料コレクション構築の端緒
2) 展示「理性の夢」
3) HUMI企画とCOE企画における博物誌資料コレクションの利用
4) 博物誌資料の特殊性と意義
5)研究計画に即した計画的・重点的収集の意味
6)博物誌および百科事典をめぐるシソーラスの可能性と方法
  CD-ROMのカタログ利用:
  Catalogue general de la Bibliotheque Nationale de Paris
  a: Des origines a 1970 (6CD)
  b: De 1970 〜 (2CD)   18世紀のヴァーチャル・ネットワーク構想
  『百科全書』人間知識の体系詳述
  同時代の人間の発想や観念連合に迫る方法の模索
 通時性と共時性:通時性研究は継起、因果、影響といった通念に支配される。
 それに対して共時性研究はある時代の人間知識の体系調査を介して、特定時点
 に共有されている思考態、連想系、分類基準などを明らかにする。

供Х椿羌曾梁膤悒◆璽函Ε札鵐拭爾肇献Д優謄ック・アーカイヴ・エンジン企画

1)慶應義塾大学アート・センターについて

2)ユニヴァーシティ・アーカイヴ構想
 本来アーカイヴとは、特定の主題に関して、図書形態化されていないドキュメント(一次資料)を収集・保存・管理する機関であり、知識を獲得するための伝統的な手法に基づく資料館ではあるが、その古さがかえって今日では、肥大化し硬直した近代の美術館・図書館・メディアセンターなどの制度を打破しうるトポスとなってもいる。本企画では、このアーカイヴ概念を拡張して、書物や考古資料のほかに、従来はミュージアムやアーカイヴと峻別され、シアターの相関物とされてきた動態的作品、すなわち演劇、舞踊、芸能、映像といった身体的パフォーマンス作品も、その直示的コミュニケーション性からアーカイヴの活動にとりこむべき対象になるだろう。全体をディジタル・メディアという新しい分類・検索・伝達・表現の手法で統括することを目指している。

3)「ジェネティック・アーカイヴ」構想
 アーカイヴの基本コンセプトは「ジェネティック」、すなわち作品の結果ではなく、プロセスすなわち生成過程にある。現代文化や芸術をめぐるさまざまな誤解や拒否反応は、ジェネティックに重点が置かれた営みを、19世紀風の完成された作品概念で無理に捉えようとする態度に起因する。本企画で構想されるユニヴァーシティ父Aーカイヴは、それゆえドローイング、メモなどの「未定稿」などをも収蔵品として扱い、生成する作品や模索する個性との直接の出会いに光を当てようとする。その場合、作品や人間の情報化されない部分(余剰)に関する感性的な情報を対象化する作業も関心対象となるであろう。主観的な要素、質に関する指標など、従来のデータベースで対象になりにくいものが検索の相関物となる。収集した資料をもとにデータベースを構築し、それを使った作品化や教育へ利用について、範例的プロトタイプを作成する。その全プロセスにお いて、マルチ・メディアの諸手段が決定的に重要な意味を持つであろうことは確実である。

2)応用編:3つのアーカイヴ構想

1:稀覯書アーカイヴ(上記COE企画と同じ)

2:イサム・ノグチ・アーカイヴ
 イサム・ノグチについてはアメリカに記念館があるが、とりあえずは慶應義塾大学所蔵の作品から、デジタル画像記録を始めたい。

3:土方巽アーカイヴ
 アート・センターは、土方の13回忌にあたる本年、未亡人の元藤樺子氏の全面的な協力の下に「土方巽アーカイヴ(仮称)」を設立し、広く土方作品に関する資料・研究文献を公共の文化的遺産として収集・管理・研究し、国内国外の研究者、一般社会人・学生に適切な方法にて公開あるいは情報提供を行うことをその理念としたい。アーカイヴの業務は以下の通りである。

  (a) 土方巽ドキュメントの収集・整理・保存・管理・公開
    本アーカイヴのドキュメントとは、土方巽の表現活動に関係する.痢璽董璽轡
    ンとしての手稿・画稿・メモ類、⊆紘原稿類、書簡・備忘録類、づ敲巽夫
    人元藤樺子氏および友人・弟子・関係者による伝聞記録、ゼ命拭Σ菫・映像・
    音声資料、上演関係の一過性資料、およびЦΦ羮紊隆愎瓦ら必要と認められ 
    る資料、を指す。これらのドキュメントを収集・整理・保存・管理し、必要に応
    じて閲覧に供し、あるいは公開、展示する。

  (b) 土方巽研究(二次文献)の収集・整理・公開・情報提供
    土方巽の活動に関する研究書・研究論文・批評・記事などの二次文献を継続的に 
    収集もしくは情報化し、整理する。必要に応じて、閲覧・情報提供を行う。

  (c) 土方巽作品「カタログ・レゾネ(作品総目録)」の作成
    土方巽の上演作品の編年的総目録を作成し、刊行の実現を企図する。