平成８年度の文部省在外研究員として、１９９７年３月から６月まで、英国
ラフバラ大学に派遣され、「英国における電子図書館システムの進展」をテー
マに調査・研究を行なった。
　ここでは英国における電子図書館に関する動向を中心に報告する。

1. 電子図書館プログラム(eLib:Electronic Libraries Programme)
   1.1  背景
          フォレット・レポート(1993)
          "The exploitation of IT is essential to create the effective 
                      library service of the future".
   1.2  アクションプラン
          JISC(Joint Information Systems Committee)
          FIGIT(Follet Implementation Group for Information Technology)
   1.3  進展
          Phase1(1995-1996)  プロジェクトの開始
          Phase2(1996-1997)  カテゴリの追加
          Phase3(1997-    )  試行からサービスへ(exit-strategyの模索)
                             統合への試み
   1.4  特徴
   1.5  プロジェクトの具体例
        1.5.1  Acorn(Electronic Short Loan)
                 ラフバラ大学を中心に行われているプロジェクトで、ショート
                 ローン・コレクション（雑誌論文）を電子化(PDF)し、ネットワ
                 ークを通して学生に提供するシステム。サブスクリプション
                 エージェントをパートナーに加え、著作権処理、電子化の協力
                 を得ている。
        1.5.2  EEVL(Access to Network Resources)
                 ヘリオット・ワット大学が中心となって進められている、インタ
                 ーネット上の情報資源（工学関係）へのゲートウエイサービス。
        1.5.3  EDDIS(Electronic Document Delivery)
                 情報検索から、所蔵機関の特定、文献依頼、原文献の入手まで
                 をシームレスなかたちで提供することを目指した、電子的統合
                 ドキュメント・デリバリ・システム。イースト・アングリア大学
                 を中心に開発が進められている。

2. 電子雑誌
   2.1  現状と問題点
   2.2  出版社、エージェントの動向
   2.3  価格モデル
        2.3.1  サブスクリプション
        2.3.2  コンソーシアム
        2.3.3  論文単位
   2.4  英国におけるナショナル・サイト・ライセンス(HEFCE PSLI)
   2.5  ラフバラ大学における利用動向調査(Cafe Jus)

3. 資源共有
   3.1  データセンター
          BIDS、EDINA、MIDAS
   3.2  OPACの共有
          COPAC
          MODELSプロジェクト('clump'によるVirtual Union Catalogue)

4. 情報関連機関の統合
   4.1  リバプール・ジョン・モアーズ大学
　　　　　Aldham Robarts Learning Resource Centre
   4.2  シェフィールド・ハーラム大学  
          Adsetts Centre

5. その他
   5.1  高等教育機関電子化センター
          Higher Education Digitisation Cenre
   5.2  電子図書館関連会議のおけるトピック
          UKSG 20th Annual Conference
          ICCC/IFIP Conference on Electronic Publishing
          ELVIRA4