1.3 大学図書館の現状と課題

     東京大学附属図書館事務部長 近藤 禧〓男

  
1.はじめに
 大学図書館は大きく変動,発展をしている。学内LANの中核としての大学図書館
への期待,学術情報の発進基地として教育研究を支援するための電子図書館化への期
待,生涯学習社会に対応する施設としての期待等々,大学図書館は大学内外から注目
され,また期待されている。では,ほんとうに大学図書館は大学の「心臓」になって
いるのだろうか。学術情報システムの進展,情報環境の変化,教育研究環境の変化等
に対応していくためには,大学図書館はまだまだ多くの問題を抱えている。
 本講では,大学図書館をめぐる現状を概観し,問題解決について大学図書館がどの
ような対応をしているか,また対応すべきか,について,本研修の各講師の講義とな
るべく重複しないように話をする。


2.大学図書館をめぐる最近の動向

 1) 学術審議会の答申
   「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」(H.4.7.23)

 2) 学術審議会学術情報資料分科会学術情報部会報告
   「大学図書館機能の強化・高度化の推進について」(H.5.12.16)

 3) 学術審議会学術情報資料分科会学術情報部会電子図書館ワーキング・グループ

 4) 著作権審議会マルチメディア小委員会ワーキング・グループ検討経過報告(1995.2.) 


3.大学図書館の当面の課題

 1) 情報環境の変化への対応
   図書館情報システム特別委員会報告(国立大学図書館協議会  1994)

 2) 大学図書館の情報発進基地としての対応
   学術雑誌目次速報データベース(学術情報センター 1994)

 3) 図書館資料の計画的,重点的収集

 4) 図書館資料の劣化と保存対策
   資料の保存に関する調査研究班報告(国立大学図書館協議会 1994)

 5) 図書館資料の効率的な保存・利用システム
   保存図書館に関する調査研究班報告(国立大学図書館協議会 1994)

 6) 有能な職員の確保・研修
   図書系専門職員の人材確保に関する当面の方策(国立大学図書館協議会.
   図書館専門職員問題特別委員会 1991)

 7) 大学図書館の公開
   国立大学図書館における公開サービスに関する当面の方策について−大学
   図書館の公開に関する調査研究班報告(国立大学図書館協議会 1986)
   国立大学図書館協議会「国立大学図書館公開事業実施委員会」(1995)

 8) 大学図書館の自己点検・評価
   国立大学図書館における自己点検・評価について−よりよき実施に向けて
   の提言(国立大学図書館協議会.自己評価基準検討委員会 1993)

 9) 大学図書館の研究開発機能
   大学図書館員の育成・確保に関する調査研究班(国立大学図書館協議会 1994)

 10) 大震災と大学図書館
   防災と災害時緊急対策調査研究班(国立大学図書館協議会 1995)

 11) 複写と著作権(文献複写とマルチメディア)
   国立大学協会
   国立大学図書館協議会
   国公私立大学図書館協力委員会