大瀧啓裕『エヴァンゲリオンの夢』
大瀧啓裕『エヴァンゲリオンの夢----使徒進化論の幻影 De harmonia mundi』東京創元社, 2000.8.10
この本には目次がないので、以下のように整理してみました。
各章冒頭の引用句の意味がわからなかったので、
『ギリシヤ・ラテン引用語辞典』田中秀央,落合太郎(編著). 新増補版. 岩波書店, 1963
で調べたところ、大部分は載っていましたが、わからないものも残ってしまいました。
p.3-10:「はじめに----あるいは宣戦布告」
Nir posse creari de nilo.
1)何物も 6)ない 5)得 4)創られ 3)からは 2)無
p.11-27:「オープニング」
Sub specie aeternitatis.
3)のもとに 2)相 1)永遠の
スピノザ『エチカ』1677.5.29-31
p.28-49:「第壱話----使徒、襲来 ANGEL ATTACK」
Non semper ea sunt quae videntur.
6)わけではない 3)常に 4)見かけどおりのもの 5)である 2)ものが 1)見える
p.50-64「第弍話----見知らぬ、天井 THE BEAST」
Veritatem dies aperit.
真実を 日が 開示する
「日は真理を開く;真理は現はる.」
p.65-77:「第参話----鳴らない、電話 A transfer」
Donec eris felix, multos numerabis amicos.
3)間は 2)あなたがある 1)順境に 4)多くの 6)数えるだろう 5)友人を
「donec eris felix, multos numerabis amicos: tempora si fuerint nubila, solus eris.
汝が幸福なる間は汝は多くの友人を数へん:〔されど〕もし時(空合)が曇らば,汝は唯一人にてあらん.」
オウィディウス, Tristia, I.9.5
p.78-88:「第四話----逃げ出した後 Hedgehog's Dilemma」
Aut disce aut discede.
あるいは学べ、さもなくば去れ
「aut disce aut discede; manet sors tertia caedi. 学ぶか去るかせよ.
笞打たるといふ第三の運命が残りてあり. (Winchester College)」
p.84上段:
「... 「ヤマアラシのジレンマ」は、... ショーペンハウアーが『余禄と補遺』第二巻(一八五一年)でもちだした寓話、すなわちヤマアラシの群が体を温めあおうとして、針でたがいに傷つけあうことを繰返した後、ようやく我慢しやすい適当な距離を見いだしたという寓話を、命名好きなフロイトが『集団心理と自我の分析』(一九二一年)に取り込み、「ヤマアラシのジレンマ」と呼んだことで、広く知られるようになったものである。」
p.89-99:「第伍話----レイ、心のむこうに Rei I」
Festina lente.
2)急げ 1)ゆっくり
cf. スエトニウス, Augustus Caesar, 25
p.100-111:「第六話----決戦、第三新東京市 Rei II」
Vultus est index animi.
1)顔は 4)である 3)指標 2)心の
p.112-120:「第七話----人の造りしもの A HUMAN WORK」
Causa latet, vis est notissima.
1)原因は 2)隠れている 3)力は 5)ている 4)とても良く知られ
「原因は隠れ、結果は甚だよく知らる」
オウィディウス『変身物語』IV.287
美少年ヘルマフロディートスは、メルクリウスとウェヌスの息子。泉の妖精サルマキスに恋慕された。サルマキスはヘルマフロディートスに泉の中で無理やり抱き付き、永遠に一体となりたいと神々に祈った。ヘルマフロディートスの体はサルマキスと融合し、両性具有となった。ヘルマフロディートスはこれを呪い、以後この泉に浴した男たちが女のように柔弱になってしまうようにと両親の神に祈った。その故事が忘却されて原因が隠れても(causa latet)、サルマキスの泉には男を女のように変えてしまう不思議な力(vis)があることは、とても良く知られて(notissima)いる。
p.121-129:「第八話----アスカ、来日 ASUKA STRIKES!」
Usus te plura docebit.
使用は あなたを より多く 教えるだろう
習うより慣れよ
p.130-139:「第九話----瞬間、心、重ねて Both of You, Dance Like You Want to Win!」
Contraria contrariis curantur.
逆のものが逆のものを以て世話される
「反対は反対をもって制す;病気はそれの正反対の薬品をもって治療せらる」
p.140-148:「第拾話----マグマダイバー MAGMADIVER」
Ab uno disce omnes.
2)から 1)一つ 4)学べ 3)全ての者を
「一つ〔の罪〕からすべて〔の人〕を学べ」
cf. ウェルギリウス『アエネーイス』 II.66
p.149-158:「第拾壱話----静止した闇の中で The Day Tokyo-3 Stood Still」
Dux femina facti.
2)指導者は 3)女性 1)その所業の
「その出来事の指導者は婦人なり」
ウェルギリウス『アエネーイス』I.364
cf. The day the earth stood still「地球の静止する日」
1951年、アメリカ、ロバート・ワイズ監督
p.159-169:「第拾弐話----奇跡の価値は
She said, “Don't make others suffer for your personal hatred.”」
Etiam sanato vulnere cicatrix manet.
3)なおも 2)癒えて 1)傷は 4)傷痕は 5)残る
「傷は癒ゆるも傷痕は残る」
Publius Syrus, 240
p.170-178:「第拾参話----使徒、侵入 LILIPUTIAN HITCHER」
Anguis in herba.
3)蛇 2)の中の 1)草
「草中の蛇;隠れたる敵」
p.179-195:「第拾四話----ゼーレ、魂の座 WEAVING A STORY」
Mars gravior sub pace latet.
2)[軍神]マルスが 1)より重い 4)の下に 3)平和 5)隠れている
「更に重大なる戦が平和の裡に伏在す」
Claudianus, De sexto consulatu honori, 307.
p.196-207:「第拾五話----嘘と沈黙
Those women longed for the touch of others' lips, and thus invited their kisses.」
Decipit frons prima multos.
4)欺く 2)顔は 1)最初の 3)多くの者を
「decipit frons prima multos; rara mens intelligit quod interiore condidit cura angulo.
最初の顔付は多くの者を欺く,ただ少数者の心のみ注意が心の奥に隠したるものを知る.」
Titus Phaedrus
p.208-219:「第拾六話----死に至る病、そして Splitting of the Breast」
Ex umbris et imaginibus in veritatem.
4)から 1)影 2)と 3)姿 6)へ 5)真理
(Cardinal Newman)
p.220-230:「第拾七話----四人目の適格者 FOURTH CHILDREN」
A dicto secundum quid ad
4)から 3)言われたこと 2)に従って 1)何か 7)へ向かって
dictum simpliciter.
6)言われたこと 5)より簡単に
p.231-242:「第拾八話----命の選択を AMBIVALENCE」
Graviora manet.
より重いものが残る
「更に大なる事(危険)が残る」
ウェルギリウス『アエネーイス』VI.84
p.243-257:「第拾九話----男の戦い INTERJECTION」
Bis repetita placent.
2回 繰り返されたものが 楽しませる
「二度繰返さるるも彼らは気に入る」
p.258-272:「第弐拾話----心のかたち 人のかたち WEAVING A STORY 2: oral stage」
Etiam capillus unus habet umbram suam.
3)さえも 2)髪 1)一本の 6)持つ 5)影を 4)自身の
「一本の髪の毛さへ自分の影をもつ」
Publilius Syrus, 232
p.273-296:「第弐拾壱話----ネルフ、誕生
He was aware that he was still a child.」
De pilo pendet.
2)で 1)髪の毛一本 3)それは吊り下がる
cf. ダモクレスの剣
p.297-317:「第弐拾弐話----せめて、人間らしく Don't Be.」
Aut viam inveniam aut faciam.
1)あるいは 2)道を 3)私は発見する 4)かさもなくば 5)私は作ろう
「私は道を発見するか,それを作るかせん. (Wightwicke)」
p.318-338:「第弐拾参話----涙 Rei III」
Mulier cum sola cogitat male cogitat.
1)女は 4)ときは 2)一人で 3)考える 5)悪く 6)考える
「女は一人にて考ふるときには,悪しく考ふ」
Publilius Syrus, 536
p.339-363:「第弐拾四話----最後のシ者 The Beginning and the End, or “Knockin' on Heaven's door”」
Sic eunt fata hominum.
3)このように 4)行く 2)運命は 1)人間の
「人間の運命はかくの如く行く」
p.364-389:「第弐拾伍話----終わる世界 Do you love me?」
Credo quia impossibile est.
4)私は信ずる 3)がゆえに 1)不可能 2)である
テルトゥリアヌス
p.390-428:「最終話----世界の中心でアイを叫んだけもの Take care of yourself.」
Quod volumus, facile credimus.
2)ことを 1)我々が欲する 3)容易に 4)我々は信じる
Ellison, Harlan(1968). The beast that shouted love at the heart of the world.
ハーラン・エリスン(浅倉久志訳)「世界の中心で愛を叫んだけもの」.
『世界の中心で愛を叫んだけもの』早川書房, 1979 (ハヤカワ文庫SF), p.19-35
劇場版(1997年3月)「シト新生 EVANGELION: DEATH AND REBIRTH」
劇場版(1997年7月)「THE END OF EVANGELION」
第25話「Air」
第26話「まごころを、君に」
cf. Charly「まごころを君に」1968年、アメリカ、ラルフ・ネルソン監督
原作: Keyes, Daniel. Flowers for Algernon.
ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」
p.429-430:「跋」
Acta est fabula.
2)為され 3)た 1)物語は
林哲也Last updated: 2004/09/23