教員著作紹介コメント(礒田正美先生)

礒田正美先生(教育開発国際協力研究センター)よりご著書の紹介コメントをいただきました。(2015/04/22)

【本の情報】
『算数・数学教育における数学的活動による学習過程の構成 : 数学化原理と表現世界、微分積分への数量関係・関数領域の指導』礒田正美著. 共立出版, 2015.2【分類375.41-I85】

【コメント】
 本書は、筆者の学位論文「数学教育における数学的活動による学習過程の構成に関する研究:表現世界の再構成過程と関数の水準によるFreudenthal 数学化論の拡張」に「はじめに」と「結び」にを加え、 わかりやすくまとめた著作である。本書の主旨は、「はじめに」にまとめられ、そのための私の30年については「結び」に記されている。他者は、本書を次のように紹介下さっている。
 共立出版による紹介文:「数学はいかに形成され,どのように発展していくのか。数学発生の本性に対する問いは数学者,科学哲学者,数学史家の考察対象として取り上げられてきた。その解答は,学校数学では何をいかに教えるべきかを考える際の基準として尊重されてきた。そして,その発生の本性を表すために,先人は数学的活動や数学化などの語彙で数学を生み出す活動を表し,その活動を学校数学で実現しようと努めてきた。本書では,数学教育においてはセットで検討される「数学はいかに形成されるのか」,「その形成を数学的活動などの語で表象したとして,それを教室で実現するために我々は何をなすべきか」という二つの問いに対して,数学がいかに形成されるかに解答し,その形成活動を実現する教育課程設計の原理を,学習過程の構成原理として定め,教材研究指針を示す。」
 AMAZONのmathmath氏の書評:「入魂の一冊であり、数学教育に関わるなら是非読むべき一冊であろう。近年では、大谷実氏や小山正孝氏の著作と同じくらい高い水準の思想性を感じる。数学化という視点から数学成立の本質に迫っており、根本的に学ぶべきことが多く、日々の授業で精一杯な近視眼の自分としては、やりがいのある宿題を沢山もらった気になった。」
 筆者自身の紹介文は以下にある(2015年4月1日17:42付):https://ja-jp.facebook.com/kyoritsu.pub
 海外で仕事をしていると英文表題が必要になる。本書の英文表題は「Mathematization for Mathematics Education : An extension of the theory of Hans Freudenthal applying the representation theory of Masami Isoda with demonstration of levels of function up to calculus」である。