教員著作紹介コメント(柴田 靖先生)

柴田 靖先生(医学医療系)よりご著書の紹介コメントをいただきました。(2017/01/10)

【本の情報】
『今さら聞けない画像診断のキホン』西川正憲 [ほか] 著/日経メディカル編集. 日経BP社/日経BPマーケティング (発売), 2016.9【分類492.1-N83】

【コメント】
本書は日常診療でよく使用される胸腹部X-pや頭部CTなどの画像診断の読み方を解説したものです。私は脳神経外科医として20年以上にわたり、数十例の頭部CTを毎日読影しています。研修医などへ頭部CTなどの講義もしており、依頼を受けて頭部CTを執筆しました。なるべく詳しく、適応、被ばくの問題から、他の画像診断法との比較、各種CT撮像法、各疾患における読影方法などを解説しました。教科書的な記載よりも、特に日常臨床で役に立つように、見逃しやすい点、間違いやすい点などを実際の経験に基ついて解りやすく解説しました。画像診断は、まず理論を理解して、実際に画像を見て、できれば臨床で経験することが王道です。臨床経験が少ない時点では、本などで勉強することによりある程度は補えます。放射線科医は専門家として、その読影レポートはもちろん貴重ですが、読影レポートを理解できないのは悲しいことで、自分で読影できる方がより楽しいです。放射線科医が不在の病院もあり、外来や救急では自分で読影して診断治療を進める必要があります。画像が読めるようになると、症例検討会やカンファレンスなどが理解できるようになり、楽しくなります。臨床実習を行っている医学生や研修医に特に読んでほしいと思います。