教員著作紹介コメント(島田 康行先生)

島田康行先生(人文社会系・アドミッションセンター)よりご著書の紹介コメントをいただきました。(2012/8/20)

【本の情報】
『「書ける」大学生に育てる : AO入試現場からの提言』島田康行著.大修館書店 , 2012.7【分類816.5-Sh36】

【コメント】
 大学進学を目指す高校生は、文章を「書くこと」をどのように学ぶのだろうか。一方、大学に入学する学生には、どのような「書くこと」の力が求められているのだろうか。「高大接続」のプロセスは、その両者の間でどのように働いているのだろうか。
 そしてもし、大学入学後の学生が文章を「書くこと」に問題を抱えているとしたら、その原因はどこにあるのだろうか。彼らが抱える問題を解決し、「書ける」大学生に育てることは、高校・大学の双方で取り組むべき課題なのだと思う。そこでは「高大接続」のあり方が問われることにもなるだろう。
 もちろん、高校における文章表現の指導が目指すのは、書ける「大学生」ではなく、書ける「社会の人」ではあるけれど、両者はともに「書くこと」を主体的に学ぼうとする者である。「書くこと」を主体的に学ぼうとする者を、高校と大学の双方で育てる手立てを考えたい、というのが本書における筆者の問題意識である。本書はこの問題意識を共有してほしいすべての方、―たとえば、高校の「国語」教員、進路指導教員、大学の初年次教育担当者、「高大接続」担当者など―を読者として想定している。
(本書「はじめに」より)